78. 資金計算書

キャッシュフロー計算書

  • 企業の1期間における現金の動きをまとめたもの
    • 現金および現企同等物 = 資金
    • 現金同等物
      • 定期預金や公社債投資信託など、取得日から満期日、または償還日までの期間が3か月以内の短期投資
      • 即時に換金が可能
      • 資金計算書の作成時点と換金時点とにおいて、額に大きな変動がないもの
  • 1期間における資金情報を開示する財務表
  • キャッシュフロー計算書の役割は、現金創出能力、負債返済能力、配当支払い能力、利益の質を評価すること

資金計算書

  • 資金情報を開示する計算書の総称
  • 資金の動きを調達と用途とに分けてまとめたもの
  • 資金の範囲(資金概念)をどのように捉えるかによって、いろいろな資金計算書を作成することができる
  • キャッシュフロー計算書は資金計算書の1つ

77. キャッシュフロー計算書の作成

キャッシュフロー計算書の作成

  • 間接法と直接法の違いは、「営業活動によるキャッシュフロー」の部分のみで、「投資活動によるキャッシュフロー」と「財務活動によるキャッシュフロー」は同じである

間接法

  • 営業活動によるキャッシュフロー
    • 一般的に、「税引前利益」に対して調整を行っていく
    • 一般的に、税金と利息の支払いは、「営業活動によるキャッシュフローの小計」の後に「支出」として記載される
キャッシュフロー計算書 (間接法)
税引前利益 (経常利益) 55
売掛金の増加 △50
商品の減少 100
買掛金の減少 △50
減価償却費 80
支払利息 15
小計 150
利息の支払い △15
税金の支払い △22
営業活動によるキャッシュフロー 113
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
投資活動によるキャッシュフロー △520
借入金の返済 △100
増資 500
財務活動によるキャッシュフロー 400
現金の増減 △7
期首現金 100
期末現金 93

直接法

  • 営業活動によるキャッシュフロー
    • 営業収入は、通常の営業活動による収入である
    • 営業収入の「300」は、売上「350」から売掛金の増加分「50」を差し引いて計算されている
    • 営業活動において現金支出をともなった費用が、営業収入から差し引かれる形で表示されるため、減価償却費は表示されない
  • 営業収入
    • 前期末の売掛金がすべて当期に回収されていれば、「200」の売上収入が当期に計上される
        ↓
      当期の売上「350」がすべて現金によるものであれば、売上収入は「550」となる一方、売掛金は「0」となる
        ↓
      「250」の売掛金がある =「550」から売掛金「250」を差し引いた「300」が当期の売上収入になる
        ↓
      売上収入 = 当期の売上「350」から売掛金の増加分「50」を差し引いた額
  • 仕入支出
    • 前期末の買掛金をすべて当期に支払っていれば、「150」の仕入支出が当期に計上される
        ↓
      当期の仕入 = 売上原価「200」+ 期末商品在り高「200」- 期末商品在り高「300」= 100
        ↓
      当期の仕入「100」がすべて現金によるものであれば、仕入支出は「250」となる一方、買掛金は「0」となる
        ↓
      「100」の売掛金がある =「250」のうちの「100」は支払っていない
        ↓
      当期の仕入支出「250 - 100 = 150」
キャッシュフロー計算書 (直接法)
営業収入 300
商品の仕入支出 △150
小計 150
利益の支払い △15
税金の支払い △22
営業活動によるキャッシュフロー 113
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
投資活動によるキャッシュフロー △520
借入金の返済 △100
増資 500
財務活動によるキャッシュフロー 400
現金の増減 △7
期首現金 100
期末現金 93

76. 貸借対照表と損益計算書

利益と収支のズレ

  • 例1の、現金勘定の差額「△7」と税引後利益は「33」を比較すると、収支と利益には「40」のズレがある
  • このズレは、非資金的損益項目、資産・負債・資本の増減によって調整される
例1. X1年度~X2年度 比較貸借対照表
X1年度末 X2年度末 差額
現金 100 93 △7
売掛金 200 250 50
商品 300 200 △100
有価証券 30 50 20
建物 0 500 500
備品 400 320 △80
資産合計 1,030 1,413
買掛金 150 100 △50
借入金 300 200 △100
資本金 500 1,000 500
未処分利益 80 113 33
負債、資本合計 1,030 1,413
例2. X2年度 損益計算書
売上高 350
売上原価 200
売上総利益 150
減価償却費 80
営業利益 70
支払利息 15
経常利益 (税引前利益) 55
税金 22
税引後利益 33

利益から収支への調整ルールによる集計

  • 例1の比較貸借対照表に示された前期(X1年度)と当期(X2年度)との差額のうち、現金勘定以外の勘定の差額を「利益から収支への調整のルール」によって集計する
    • 「未処分利益の増加 = 税引後利益」である
    • 表2のように、税引後利益(未処分利益の増加)「33」に対して、売掛金の増加「△50」から、資本金の増加「500」までの数値を加減することで、収支への調整ができる
    • 表1の備品の減少「80」は、表2の減価償却費(非資金的損益項目)「80」に相当する
      • 備品の減少は、備品の売却による減少でなく、減価償却によるものである
  • 表1と表2の合計金額は一致する
表1. 比較貸借対照表の現金以外の勘定の増減をまとめた表
売掛金の増加 △50
商品の減少 100
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
備品の減少 80
買掛金の減少 △50
借入金の減少 △100
資本金の増加 500
未処分利益の増加 33
合計 △7
表2. 表1の数値を使って現金の増減(収支)を計算した表
税引後利益 (= 表1. 未処分利益の増加) 33
売掛金の増加 △50
商品の減少 100
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
減価償却費 (= 表1. 備品の減少) 80
買掛金の減少 △50
借入金の減少 △100
資本金の増加 500
現金の増減 (= 表1. 合計) △7

75. キャッシュフロー計算書の作成

キャッシュフロー計算書の作成
キャッシュフロー計算書の作成方法には2つの方法がある

  1. 損益計算書と2期間の貸借対照表(比較貸借対照表)を主に利用して、キャッシュフロー計算書を作成する方法
    • 複式簿記の手続きを経て作成された財務諸表を利用してキャッシュフロー計算書を作成する方法
    • 若干の明細書、利益処分に関する資料も必要
    • 一般的に用いられる
  2. 複式簿記の仕組みにキャッシュフロー計算書を作成するための勘定組織を組み入れ、期末の決算における勘定の集計によってキャッシュフロー計算書を作成する方法

損益計算書と比較貸借対照表によるキャッシュフロー計算書の作成

  • 「損益計算書の利益」を「比較貸借対照表から得られる各勘定の差額」を用いて「収支」を調整する
  • 利益から収支への調整ルール
    現金の滅少(資金の運用) 現金の増加(資金の調達)
    資産の勘定(現金以外) 増加 減少
    負債の勘定減少 減少 増加
    資本の勘定減少増加 減少 増加

企業の資金の流れ

  1. 負債、資本によって現金を調達
  2. その現金を資産の購入に使用
  3. 購入された資産が売却される
  4. 現金が回収される

現金と資産の関係

  • 現金以外の資産が増加
    = 現金を使ってその資産を手に入れた
    = 資産の増加 → 現金の減少
  • 現金以外の資産が減少
    = その資産を手放すことによって現金を手に入れた
    = 資産の減少 → 現金の増加

現金と負債・資本の関係

  • 銀行からの借入(負債)
    • 借入を行う → 現金の増加
    • 借入金の返済 → 現金の減少
  • 株式の発行(資本)
    • 資本の増加 → 現金の増加
    • 負債、資本の増加 → 現金の増加
    • 負債、資本の減少 → 現金の減少

貸方と借方

  • 貸借対照表の貸方は資金の調達状況、借方は資金の運用状況を示す
    • 貸方 = 現金という資金の調達状況
      • 負債や資本は、現金の調達を示す
      • 負債や資本の増加 → 現金の増加
      • 負債や資本の減少 → 現金の減少
    • 借方 = 現金という資金の運用状況
      • 資産は、調達した現金の用途を示す
      • 資産の増加 → 現金の減少
      • 資産の減少 → 現金の増加

74. キャッシュフロー計算書の表示

直接法と間接法

  • キャッシュフロー計算書の表示には、「直接法」と「間接法」という2つの方法がある
  • キャッシュフロー計算書は、直接法と間接法を問わず、3つに区分されている
    1. 営業活動によるキャッシュフロー
    2. 投資活動によるキャッシュフロー
    3. 財務活動によるキャッシュフロー
  • 直接法と間接法の違いは、営業活動によるキャッシュフローの表示のみである
    • 直接法
      • 商品や製品の売上収入から仕入支出、人件費などの営業支出を差し引き、営業活動によるキャッシュフローが計算される
    • 間接法
      • 利益(一般には税引当期純利益)に、営業活動により生ずる資産や負債の増減と、非資金的損益項目を加減することによって、営業活動によるキャッシュフローが表示される

非資金的損益項目

  • キャッシュフロー計算書(間接法)における非資金的損益項目
    • 現金支出をともなわない費用(非資金的費用)、および現金収入をともなわない収益(非資金的収益)のこと
  • 非資金的費用の例
    • 引当金の繰り入れ
    • 費用の未払い分
    • 減価償却費
      • 現金支出をともなわない費用
      • 有形固定資産の購入時に現金支出したが、その全額が購入時に費用として計上はされない
      • 決算において、支出額の一部が減価償却費として計上される
      • 減価償却(費用計上)時には、現金の支出はなされない
  • 非資金的収益の例
    • 引当金の戻し入れ益
    • 収益の未収分
    • 有価証券の評価益
      • 決算時に帳簿価格よりも市場価格の方が高かった場合に計上される収益
      • 評価益の計上にともなって、現金収入は生じない

73. キャッシュフロー計算書

利益

  • 損益計算書と貸借対照表の財務表において計算される
    • 損益計算書
      • 会計期間の利益の増加要因と減少要因とが示され、その期間の利益が計算される
    • 貸借対照表
      • 利益は、資本(純資産)として示される

収支

  • 決算時点の現金の在り高は、貸借対照表に示される
    • 会計期間における現金の入りと出は、損益計算書や貸借対照表には示されない
  • 会計期間の収入(現金の増加)と支出(現金の減少)を知るためには、収支についてまとめられたキャッシュフロー計算書が必要になる

キャッシュフロー計算書
営業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から企業の1期間における収支の状況をまとめている

  1. 営業活動(営業活動によるキャッシュフロー)
    • 商品の購入から販売に至るまでの活動
    • 購入、販売に附随する信用取引(掛けや手形による代金のやりとり)や販売、管理に関する活動
  2. 投資活動(投資活動によるキャッシュフロー)
    • 建物、備品などの有形固定資産の購入、売却活動
    • 有価証券の売買や貸し付けに関する活動
  3. 財務活動(財務活動によるキャッシュフロー)
    • 資金調達に関する活動
    • 株式、社債の発行や借り入れ
    • 減資
    • 社債の償還
    • 借人金の返済

72. 利益と収支

利益と収支

  • 企業の目的は「儲けること」、すなわち「利益の獲得」である
  • 「儲け・利益」は、収益から費用を差し引いた残りとして計算される
    • 収益 = 企業が営業活動から得たもの(儲けのプラス要素)
      • 収益が生ずると、現金や売掛金などの資産が増加
      • 収益を得るためには、現金や商品などの資産が減少
    • 費用 = 収益を得るために犠牲となったもの(儲けのマイナス要素)
    • 利益 = 企業の資産の純増加として示されるもの
  • 利益が計上されると、利益の額に等しい額の純資産が増加するが、利益の額に等しい額の現金が増加するわけではない
    • 現金の増加は「収入」、現金の減少は「支出」
    • 収入と支出との差額は「収支」

利益と収支の例

  • 商品を100円で購入し、代金を現金で支払う
      ↓ 100円の現金を支払う
    その商品を120円で掛け売りする
      ↓ 売上120円 - 売上原価100円
    利益は20円になる
      ↓ 掛け売りのため、現金の入りは0円
    収支は△(マイナス)100円となる
  • 利益は「購入時点の価値」と「販売時点の価値」との差額として計算される
    利益 収支
    売上高 120
    売上原価 100
    収支(商品の販売) 0
    支出(商品の購入) 100
    20 △100

利益と収支の違い

  • 利益は、営業活動の成果を示す
  • 収支は、現金の「入り」と「出」との差額として計算され、現金の増加、減少の結果を示す
  • 期間利益計算と発生主義によって規定される近代会計においては、利益と収支とが一致しないことがほとんどである

71. 損益計算書の表示原則

総額主義

  • 収益と費用の総額を表示し、後に利益(損失)を表示するもの
  • 利益の獲得過程を相殺することなく表示するため、企業の経営活動が網羅的に示され、活動規模や利益率などの情報がもたらされる
  • 売上、売上原価、販売費および一般管理費は、企業の主たる営業活動によって生ずる収益と費用であって、対応関係にある
  • 収益と費用は、企業の経営活動を判断する際に最も重要な要素であることから、重要性の乏しいものを除き、総額主義によって表示しなければならない

純額主義

  • 対応関係にある同種の「収益」と「費用」とを相殺し、その差額たる「利益」のみを表示するもの
  • 企業の経営活動の結果である「利益」のみを明示することができるが、その獲得過程は示されない
  • 損益計算書においては、重要性の低い項目など、利益の明示を優先すべき項日こついては純額で表示される
    • 運用益の獲得を目的とする売買目的有価証券は、銘柄の違いは重要ではないことから、「売却益と売却損」「評価益と評価損」を相殺し、純額で表示される
    • 売買目的以外の有価証券の売却損益や、固定資産の売却損益などは、対応関係にないため、相殺は行えない

当期業績主義

  • 損益計算書において、当期における企業の経営活動の結果を示す期間利益を表示しようとするもの
    • 期間利益 = 営業活動や財務活動など、企業が継常的に行う活動
  • 企業の正常な経営活動の結果を示す指標として「経常利益」が表示される
    • 経常利益は臨時的、偶発的な利得や損失の影響を受けないため、当期における経営活動を判断する指標となる
    • 企業の期間比較を行うときにも利用される

包括主義

  • 損益計算書において、当期に生じたすべての「収益、費用、利得、損失」を表示し、当期における「純利益」を表示しようとするもの
  • 臨時的、偶発的な利得や損失を反映した「税引前当期純利益」、そこから法人税等を控除した「当期純利益」が表示される
    • 税引前当期純利益や当期純利益は、企業の正常な経営活動の結果を判断するには適当ではないが、資本(純資産)の増減額を示す最終的な利益である
  • 現在の損益計算書は、基本的には包括主義にもとづいている
    • 区分表示を行うことで、「当期業績主義」と「包括主義」の双方の利点を取り入れている

70. 損益計算書の表示区分

利益計算

  • 損益計算書では、収益、費用、利得、損失の源泉によって、「営業利益計算」、「経常利益計算」、「純利損益計算」の3つの区分をもって表示する
    • 営業利益計算 → 営業利益
    • 経常利益計算 → 経常利益
    • 純利益計算 → 当期純利益

営業利益計算

  • 「売上」「売上原価」「販売費および一般管理費」が表示される
  • 企業の主目的である営業活動(本業)の成果と犠牲を、対応表示することによって、その結果である営業損益が示される
  • 営業利益計算の項目
    • 売上高
      • 企業の主目的である営業活動において、商品、製品、サービス等の販売によって獲得した収益
    • 売上原価
      • 販売した商品の取得原価、製品の製造原価
      • 売上と売上原価とは直接的な対応関係にあって、その差額は「売上総利益」として表示される
      • 企業が2つ以上の営業を目的とする場合には、売上・売上原価・売上総利益を、営業ごとに分けて表示する
    • 販売費および一般管理費
      • 企業の主目的たる営業活動において要した費用のうち、売上原価に算入されないもの
    • 販売費
      • 商品や製品の販売に直接に要した費用
      • 販売手数料
      • 運送料
      • 広告宣伝費
      • 保管料
    • 一般管理費
      • 販売に直接には関係しないが、企業の営業活動において不可欠の、経常的に発生する費用
      • 給料、賃金
      • 法定福利費
      • 水道光熱費
      • 減価償却費

経常利益計算

  • 財務活動や営業外活動によって生ずる「営業外収益」と「営業外費用」が表示される
  • 営業利益計算の区分で示される「営業利益」に、「営業外収益/営業外費用」を加減することによって、企業の経常的な活動の結果である「経常利益」が示される
  • 経常利益計算の項目
    • 営業外収益・営業外費用(財務活動)
      • 受取利息
      • 支払利息
      • 社債利息受取配当金
      • 売買目的有価証券の有価証券売却損益や評価損益
  • 営業外活動
    • (不動産業を除く)不動産の賃貸や仲介による賃貸料や受取手数料
    • そのために要した諸費用

純利益計算

  • 臨時的、偶発的な出来事によって生ずる「特別利益」および「特別損失」と、「法人税等」とが表示される
  • 経常利益計算の区分で示される「経常利益」に、「特別利益/特別損失」を加減することによって、最終的な利益である「当期純利益」が示される
  • 純利益計算の項目
    • 特別利益・特別損失
      • 固定資産の売却損益や除却損
      • 災害損失
      • 過年度損益修正
  • 税効果会計の手続き
    • 損益計算書では、一時差異にかかわる税額が法人税等調整額として計上される

法人税の捉え方
法人税等を費用とするか否かは、意見の分かれるところである

  1. 利益を配当の源泉と捉える場合、利益を企業の資本(純資産)の増減額と捉える場合
    • 税の支払いによって、配当の源泉となる処分可能利益が減少するため、法人税等は費用の一項目となる
  2. 法人税等を利益の控除項目と捉える場合
    • 法人税等の税額は、収益、費用(および利得、損失)の差額である利益額にもとづいて算定されるため、費用や損失と区別して、利益の控除とする
  3. 利益を、企業の経営活動の良否を判断する指標と捉える場合
    • 税額は、企業の経営努力を直接的に反映するものとはいいがたい
    • 収益に対応する犠牲としての期間費用とは区別すべきである
    • 臨時的、偶発的な出来事によって生ずる特別損失にも該当しない
  4. 税効果会計の場合
    • 法人税等を費用とする
  5. 資本主論や代理人論の場合
    • 法人税等もその他の費用も同様に、資本主に帰属する持ち分を減らす費用と捉える
  6. 企業主体論の場合
    • 法人税等を費用と捉える
  7. 企業体論の場合
    • 法人税等を国などに帰属すべき利益の分配と捉える

69. 利益の種類

利益の種類

青 = 収益および利益、赤 = 費用および損失

売上高
売上総利益 売上原価
営業利益 販売費および一般管理費
営業利益 営業外収益
経常利益 営業外費用
経常利益 特別利益
税引前当期純利益 特別損失
当期純利益   ← 法人税。住民税、および事業税

売上総利益(租利)

  • 売上総利益 = 売上 - 売上原価
  • 「売上」から「売上原価」を控除した額
  • 企業の主目的である営業活動(生産活動や販売活動、つまり本業)の結果を示す最も単純な指標
  • 広告宣伝費や人件費等が考慮されていないことから、営業活動の良心を判断する指標としては「営業利益」の方を用いることが多い

営業利益

  • 営業利益 = 売上総利益 - 販売費および一般管理費
  • 営業利益 = 売上 - 売上原価 - 販売費および一般管理費
  • 「売上総利益」から「販売費および一般管理費」を引いた額
  • 企業の主目的である営業活動による売上から、これに対応する費用である「売上原価」と「販売費および一般管理費」とを控除した額
  • 企業の主目的たる営業活動(本業)の結果を示す指標

経常利益(期間利益)

  • 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
  • 経常利益 = 営業利益 + 営業外活動による損益
  • 「営業利益」に「営業外収益」と「営業外費用」を加減した額
  • 企業の主目的である営業活動(本業)の結果と、営業外活動(財務活動やその他の経常的な活動)の結果を総合的に示す指標
  • 企業が経常的に行う経営活動の結果を判断する指標
  • 企業の正常な活動の良否を判断する際に用いられる

税引前当期純利益

  • 税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失
  • 税引前当期純利益 = 経常利益 ± 臨時的、偶発的な利得、損失
  • 「経常利益」に「特別利益」と「特別損失」を加減した額
  • 企業の経常的な経営活動に加えて、臨時的、偶発的な利得、損失や過年度損益修正を反映し、当期における企業の資本(純資産)の増減額を示す最終的な指標

当期純利益

  • 当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税、住民税、および事業税
  • 「税引前当期純利益」から「法人税、住民税、事業税」を控除した額