98. 債権と債務の相殺消去

債権と債務の相殺消去

  • 連結会社相互間の取引によって生じた「売掛金/買掛金」「受取手形/支払乎形」「貸付金/借入金」といった「債権/債務」は、企業集団内における資金の移動にすぎないため、相殺消去する
    借方 貸方
    買掛金 XXXX 売掛金 XXXX
  • 連結会社相互間の取引によって生じた前払費用、未収収益、前受収益、未払費用といった経過勘定項目も同様に、相殺消去する
    借方 貸方
    前受収益 XXXX 前払費用 XXXX
  • 連結会社が発行した社債を資産として保有している場合は、発行会社の負債とともに、債権と債務の相殺消去の対象とする必要がある
    • 所有が一時的である場合は、相殺消去の対象としないことも認められている
  • 連結会社が振り出した手形を、他の連結会社が銀行で割り引きに付した場合は、銀行に対して手形借入金が存在するのと同様なため、連結貸借対照表では、これを借入金に振り替える
    借方 貸方
    支払手形 XXXX 手形借入金 XXXX
  • 引当金のうち、連結会社を対象として設定されたことが明らかなものは、調整が必要となる
    • 連結会社間で掛け売買があった場合、売掛金と買掛金が相殺消去されることになる
    • 相殺消去された売掛金に対して貸倒引当金が設定されていた場合、売掛金が消去された分だけ貨倒引当金の額を減ずる必要がある
    • 連結会社間での商品売買にともなって設定された商品保証引当金なども、同様の調整が必要となる
    借方 貸方
    買掛金 XXXX 売掛金 XXXX
    貸倒引当金 XXXX 貸倒引当金繰入 XXXX

97. 子会社株式の売却

子会社株式の売却

  • 親会社が子会社の株式を売却すると、当該会社に対する持ち分比率が低下する
    • その結果、両社の支配従属関係が解消され、親子関係になくなった場合
      • 当該会社は連結の範囲から除外される
    • 売却後も親子関係が継続し、連結子会社となっている場合
      • 売却によって減少した親会社の持ち分を減額させるとともに、少数株主持分を増額させる必要がある
      • 売却による親会社の持ち分の減少額と、投資の減少額との間に生じた差額は、子会社株式の売却損益の修正として処理する
      • 売却に伴うのれん/負ののれんの償却額も同様に処理する
      • 子会社株式の売却損益の修正として処理するのれん/負ののれんの償却額は、のれん/負ののれんの未償却額のうち、売却した株式に対応する部分として計算する
  • 子会社株式の売却時の少数株主持分の増加額は、「部分時価評価法」と「全面時価評価法」のいずれを適用しているかによって異なる
    • 部分時価評価法の場合
      • 少数株主持分は、子会社の個別貸借対照表(原価)をもとに算定されていることから、少数株主持分の増加額は同様に、子会社の個別貸出対照表上の純資産額にもとづいて計算する
      • 時価によって評価されている資産・負債は、売却によって減少した株式に対応する評価差額の分だけ修正する必要がある
  • 全面時価評価法の場合
    • 少数株主持分は、子会社の純資産の時価をもとに算定されていることから、売却によって減少した株式に対応する持ち分と同額だけ、少数株主持分を増額させる
    • 子会社の時価発行増資などに伴って、親会社の持分比率が低下した場合にも、少数株主持分が増加する
    • 親会社の払い込み額と、親会社の持ち分の増減額の間に差額が生じた場合は、損益として処理する
    • 利害関係者の判断を著しく誤らせる恐れがある場合には、連結剰余金に直接加減することもできる

少数株主持分の増加額処理の具体例

例題4

  • X2年3月31日、S社株式のの20%を420で売却した
  • S社の純資産の部には、資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
  • この期の純損益は0であって、利益配当は行われなかった

部分時価評価法の場合

  • 少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 売却株式の持ち分比率 = 1,800 × 0.2
    借方 貸方
    S社株式 400 少数株主持分 360
    土地 20
    のれん 19
    株式売却益 1

全面時価評価法の場合

  • 少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 評価差額) × 売却株式の持ち分比率 = 1,900 × 0.2
    借方 貸方
    S社株式 400 少数株主持分 380
    のれん 19
    株式売却益 1

96. 子会社株式の追加取得

支配獲得後の子会社株式の追加取得

  • 支配獲得後に子会社の株式を追加取得した場合の処理は、株式の段階的取得による支配獲得の場合の処理と同様、「部分時価評価法」と「全面時価評価法」のいずれを適用しているかによって異なる
  • 部分時価評価法を適用しているときに、支配獲得後、子会社の株式を追加取得した場合
    • 追加取得した株式に対応する持ち分だけ、少数株主持分を相殺消去する
    • 子会社の資産・負債の時価評価によって計上された評価差額も相殺消去する
  • 全面時価評価法を適用しているときに、支配獲得後、子会社の株式を追加取得した場合
    • 支配獲得時に、資産・負債の全面的な時価評価と評価差額の相殺消去がすでに行われているため、評価差額に関わる仕訳は行わない
    • 追加取得した株式に対応する持ち分だけ、少数株主持分を相殺消去する
  • いずれの場合も、追加取得した株式に対応する持ち分と追加投資額の間に差額が生じた場合は、「のれん(または負ののれん)」として処理する

投資と資本の相殺消去の具体例

例題3

  • X3年3月31日に、P杜はS社株式の10%を220で取得した
  • 同日、S社の純資産の部には資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
  • 前期の純損益は0であって、利益配当は行われなかった
  • S社の資産・負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が300であった

部分時価評価法の場合

  1. 追加取得時の資産・負債の時価評価
    評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の持ち分比率 = 200 × 0.1

    借方 貸方
    土地 20 評価差額 20
  2. 投資と資本との相殺消去
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.1

    借方 貸方
    少数株主持分 180 S社株式 220
    評価差額 20
    のれん 20

全面時価評価法の場合

  1. 追加取得時の資産・負債の時価評価
    借方 貸方
    仕訳なし
  2. 投資と資本との相殺消去
    少数株主持分 = 追加取得以前の少数株主持分 × (追加取得した持ち分比率 ÷ 追加取得以前の少数株主の持ち分比率) = 190 × (0.1 ÷ 0.1)

    借方 貸方
    少数株主持分 190 S社株式 220
    のれん 30

95. 子会社株式の支配獲得 (2)

投資と資本の相殺消去の具体例

例題2

  • 連結決算日のX1年3月3日に、P社はS社株式の10%を190で取得した
  • 同社の純資産の部には、資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
  • この期の純損益は0であって、利益配当は行われなかった
  • S社の資産および負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が180であった
  • 翌X2年3月3日、P社はS社株式の80%を1,600で追加取得し、子会社とした
  • 同日、S社の純資産の部には資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
  • S社の資産・負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が200となっていた

部分時価評価法と段階法の場合

  1. 初回取得時における時価評価(部分時価評価法)
    評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の初回取得持ち分比率 = 80 × 0.1

    借方 貸方
    土地 8 評価差額 8
  2. 初回取得時における投資と資本の相殺消去(段階法)
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.9

    借方 貸方
    資本金 1,000 S社株式 190
    資本剰余金 400 少数株主持分 1,620
    評価差額 8
    利益剰余金 400
    のれん 2
  3. 追加取得時における時価評価(部分時価評価法)
    評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の追加取得持ち分比率 = 100 × 0.8

    借方 貸方
    土地 80 評価差額 80
  4. 追加取得時における投資と資本の相殺消去(段階法)
    株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.8

    借方 貸方
    少数株主持分 1,440 S社株式 1,600
    評価差額 80
    のれん 80

部分時価評価法(簡便法)と一括法の場合

  1. 支配獲得日における時価評価(部分時価評価法:簡便法)
    評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の持ち分比率 = 100 × 0.9

    借方 貸方
    土地 90 評価差額 90
  2. 支配獲得日における投資と資本の相殺消去(一括法)
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.1

    借方 貸方
    資本金 1,000 S社株式 1,790
    資本剰余金 400 少数株主持分 180
    評価差額 90
    利益剰余金 400
    のれん 80

全面時価評価法と一括法の場合

  1. 支配獲得日における時価評価(全面時価評価法)
    評価差額 = 時価 - 取得原価

    借方 貸方
    土地 100 評価差額 100
  2. 支配獲得日における投資と資本の相殺消去(一括法)
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 評価差額) × 少数株主の持ち分比率 = 1,900 × 0.1

    借方 貸方
    資本金 1,000 S社株式 1,790
    資本剰余金 400 少数株主持分 190
    評価差額 100
    利益剰余金 400
    のれん 80

94. 子会社株式の支配獲得 (1)

株式の段階的取得による支配獲得

  • 株式を2回以上に渡って段階的に取得することによって、子会社の支配を獲得した場合、投資と資本を相殺消去する方法として、「段階法」と「一括法」のいずれかが適用される
    • 段階法:株式の取得日ごとに親会社が追加的に取得した株式への投資と、それに対応する子会社の資本を、段階的に相殺消去する処理法
    • 一括法:株式の取得過程とは関係なく、支配獲得日に投資と資本を一括して相殺消去する処理法
  • いずれの方法を選択しても、相殺消去の際に、追加投資額とそれに対応する持ち分額の間に差額が生じた場合は、その差額を「のれん(または負ののれん)」として処理する

資産・負債の評価方法と合理的な相殺消去

  • 部分時価評価法を適用している場合 → 段階法
    • 部分時価評価法
      • 子会社の資産・負債のうち、親会社の持ち分に相当する部分のみを株式取得日ごとに時価によって評価する方法
      • 親会社による子会社への段階的な投資を反映する方法
      • 親会社説と整合的な会計方法
    • 子会社の資産・負債を、段階的に評価処理するならば、投資と資本についても、株式の取得に応じて段階的に相殺処理することが整合的な処理方法といえる
    • 部分時価評価法を適用している場合は、段階法を選択することが首尾一貫した処理となる
  • 全面時価評価法を適用している場合 → 一括法
    • 全面時価評価法
      • 子会社の資産・負債における親会社の持ち分と、少数株主の持ち分の両方を、支配獲得日の時価によって評価する方法
      • 経済的単一体説と整合的な会計方法
    • 一括法
      • 被投資会社が子会社として企業集団に加わり、経済的単一体が形成されることになった支配獲得日において、投資と資本を相殺消去する方法
      • 全面時価評価法を適用している場合は、一括法を選択することが首尾一貫した処理となる
    • 資産・負債の評価における簡便法の適用
      • 計算の結果が著しく相違しない場合に限り、部分時価評価法を適用していても、支配獲得日における時価で親会社の持ち分に相当する部分を一括して評価することもできる
      • その場合には、投資と資本の相殺消去についても、一括法を適用することになる

93. 連結貸借対照表の作成

連結貸借対照表の作成

  • 連結貸借対照表は、連結会社の個別貸借対照表における額を基礎とする
  • 子会社の資産・負債の評価、連結会社相互間の投資と資本との相役消去、債権と債務との相殺消去などの修正処理を行って作成される

子会社の資産・負債の評価

  • 連結貸借対照表の作成にあたっては、子会社の支配獲得日において、子会社の資産・負債を時価によって評価する
  • 時価評価方法
    1. 部分時価評価法
      • 子会社の資産・負債のうち、親会社の持ち分に相当する部分を株式の取得日ごとに、当該日の公正な評価額(時価)で評価する
      • 少数株主の持ち分に相当する部分は、子会社の個別貸借対照表上の額で評価する
      • 親会社の持ち分に相当する部分のみを時価で評価するため、親会社説と整合的な方法である
      • 計算の結果が著しく相違しない場合は、簡便法として、支配獲得日の時価を基準として、親会社の持ち分に相当する部分を、一括して評価する方法を適用することもできる
    2. 全面時価評価法
      • 子会社の資産・負債のすべてを、支配獲得日の時価で評価する
      • 少数株主の持ち分も含めて時価で評価するため、経済的単一体説と整合的な方法である
  • いずれの時価評価方法を選択しても、資産・負債を時価評価した際の時価と取得原価の差額は「評価差額」とされ、子会社の純資産の部に計上される
    借方 貸方
    諸資産 1,000,000 評価差額 1,000,000
  • 支配獲得、株式取得、売却などの日が子会社の決算日以外の場合は、当該日の前後のいずれか近い決算日(みなし支配獲得日)に、支配獲得、株式取得、売却などが行われたとみなして、処理することが認められている

92. 投資と資本の相殺消去 (1)

投資と資本の相殺消去

  • 連結決算では、連結会社全体をひとつの会計単位とみなして、財務諸表を作成する
  • 連結決済は、親会社から子会社への投資は会計単位内部での資金移動にすぎない
      ↓
    連結会社の個別貸借対照表をそのまま合算してしまうと、資産・純資産が過上計上されてしまう
      ↓
    親会社の子会社に対する投資(子会社株式)と、これに対応する子会社の資本(純資産の部に計上される、新株予約権および少数株主持分以外の諸勘定)を相殺消去する必要がある
      ↓
    子会社相互間の投資と、これに対応する資本についても、相殺消去する必要がある

「持ち分比率が100%の子会社への投資」と「その子会社の資本」の相殺消去

借方 貸方
資本金 XXXX 子会社株式 XXXX
資本剰余金 XXXX
評価差額 XXXX
利益剰余金 XXXX

少数株上が存在する場合

  • 子会社の資本のうち、親会社の投資に相当する部分が持ち分比率に応じて相殺消去され、少数株主に帰属する部分は「少数株主持分」として処理される
    借方 貸方
    資本金 XXXX 子会社株式 XXXX
    資本剰余金 XXXX 少数株上持分 XXXX
    評価差額 XXXX
    利益剰余金 XXXX

投資と資本を消去する際に消去差額が借方に生じる場合

  • 消去差額を「のれん」として計上する
    借方 貸方
    資本金 XXXX 子会社株式 XXXX
    資本剰余金 XXXX 少数株上持分 XXXX
    評価差額 XXXX
    利益剰余金 XXXX
    のれん XXXX

のれん

  • 子会社の純資産の公正な評価額以上に対価を支払ったことによって生じた差額
  • 子会社の持つ「超過収益力」を表す
  • 資産として計上され、計上後20年以内に定額法、その他の合理的な方法によって、償却される
  • 差額が貸方に生じた場合は、その差額を「負ののれん」として、負債の部に計上し、のれんと同様の方法によって償却される
  • 「のれん」「負ののれん」は、いずれも金額の重要性が乏しい場合には、当期の損益として処理することもできる

91. 投資と資本の相殺消去 (2)

相殺消去の具体例

例題1

  • X1年3月31日に、A社はB社株式の80%を1,600で取得し、連結子会社とした
  • 同社の純資産の部には、資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
    • B社の資産・負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が200となっていた
  • X2年3月31日、連結決算にあたり、のれん80を償却期間を20年として償却する

部分時価評価法の場合

  1. 資産・負債の時価評価
    評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の持ち分比率 = 100 × 0.8

    借方 貸方
    土地 80 評価差額 80
  2. 投資と資本との相殺消去
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.2

    借方 貸方
    資本金 1,000 S社株式 1,600
    資本剰余金 400 少数株主持分 360
    評価差額 80
    利益剰余金 400
    のれん 80

全面時価評価法の場合

  1. 資産・負債の時価評価
    評価差額 = 時価 - 取得原価

    借方 貸方
    土地 100 評価差額 100
  2. 投資と資本の相殺消去
    少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 評価差額) × 少数株主の持ち分比率 = 1,900 × 0.2

    借方 貸方
    資本金 1,000 S社株式 1,600
    資本剰余金 400 少数株上持分 380
    評価差額 100
    利益剰余金 400
    利益剰余金 80

のれん処理

  • のれん償却
    借方 貸方
    のれん償却額 4 のれん 4

90. 連結財務諸表の作成

連結財務諸表作成の基本的な手続き

  1. 個別財務諸表の合算
    • 「個別財務諸表基準性の原則」に従って、まず連結の範囲に含まれる各社の個別財務諸表にある勘定科目を合計する
    • この際、各勘定科目の合計や修正処理を行うために「連結精算表」が利用される
  2. 連結にあたっての修正処理
    • 各勘定科目の合算では、単純な合計のみではなく、修正が必要となる場合がある
    • 主な修正事項
      • 子会社の資産および負債の評価
      • 連結会社間の投資と資本との相殺消去
      • 取引高および債権債務の相殺消去
      • 未実現損益の消去

連結精算表

  • 各連結会社の作成した個別財務諸表の各勘定科目の合算および修正処理を行う際に利用される精算表
  • 連結精算表では、各勘定科目が合計欄で合計される
      ↓
    資産・負債の評価や、投資と資本の相殺消去などによる修正仕訳が、修正記入欄に記入される
      ↓
    合計欄の額に修正記入欄の額が加減され、連結財務諸表に記載される各勘定科目の額が導かれる
連結精算表の例
勘定科目 親会社の
個別財務諸表
子会社の
個別財務諸表
合計 修正記入 連結財務諸表
借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方




資産
 
負債
 
純資産
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合計 ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ××




収益
 
費用
 
当期純利益
 
 
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合計 ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ××
株変
主動
資計
本算
等書
前期末残高
 
当期変動額
 
当期末残高
 
 
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××
 
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合計 ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ×× ××

89. 連結主体論

連結主体論

  • 会計主体論:会計はどのような(誰の)観点から行われるのか
  • 連結主体論:連結財務諸表の作成はどのような(誰の)観点から行われるのか
  • 親会社説と経済的唯一体説のいずれの見解によるかによって、適用すべき会計処理方法が異なる
  • 現行の連結財務諸表の作成は、原則として、親会社説に立脚して行われている
    • 連結財務諸表の主な情報利用者が、親会社への投資者であるため
    • 親会社説による会計処理方法の方が、企業集団経営の実際的な感覚を適切に反映しているため

連結主体論

  1. 親会社説
    • 「連結財務諸表の作成は、支配株主である親会社の観点から行われる」とする見解
    • 親会社のみが子会社の株主であると考える
    • 子会社の純資産の内、親会社の出資に対応する持ち分のみを連結財務諸表において連結すべき資本とする
    • 少数株主持分は、他人からの資金調達とみなし、負債と同様に位置づける(将来の返済義務が存在しない点では負債と異なる)
  2. 経済的単一体説
    • 「連結財務諸表の作成は、親会社のみならず、少数株主をも含めた全株主の観点から行われる」とする見解
    • 企業集団全体を単一の経済実体として捉え、少数株主も親会社と同様に子会社の出資者とみなす
    • 親会社の持ち分と少数株主の持ち分とを連結すべき資本と考える