45. 証券会社・保険会社

証券会社の活動

  • 企業の株式発行を取り扱う
  • 株式の売買を仲介して手数料を得ている

保険会社の活動

  • 生命保険や損害保険などの加入者から掛金(保険料)を受け取る
  • 死亡、火災、自動車事故などが発生したときに保険金を支払う
  • 掛金の受け取りと保険金支払いまでの間に、顧客から積み立てられた準備金を使って利益を得る
    • 企業に融資して利子を得る
    • 不動産、国債、株式などに投資して利益を得る

44. 銀行

銀行の活動

  • 預金業務(受信業務)
    • 家計・企業から資金を預かる(頂金)
  • 貸出業務(与信業務)
    • 資金を企業などに融資する
  • 家計・企業に支払う「預金利子」より高い「貸出利子」を企業などから得る

預金の種類

  • 当座預金
    • 企業が決済用に利用する
    • 預金の支払いは「小切手」や「手形」を通じて行う
  • 普通預金
    • 自由に預金・払戻しができる
    • 家計の給料・年金などの受け取り、公共料金の支払い、クレジットカードの利用代金の支払い、ローンの返済などに利用される
  • 定期預金
    • 預金してから一定期間は引き出せない
    • 原則として満期日まで引出しができないが、その代わりに普通預金と比べると金利は高くなっている

貸出の種類

  • 手形割引
    • 手形割引支払期日前の手形を、支払期日までの利子を差し引いて買い取る形で、資金を貸し付ける
  • 手形貸付・証書貸付
    • 企業の設備投資や家計の住宅ローンなどの長期にわたる資金を、約束手形や借用証書により貸し付ける

銀行の信用創造

  • 銀行は預金のうち、支払準備金(銀行が預金の払戻しに備えて保有する資金)以外を貸出に回す
      ↓
    企業は、貸し出された資金を当座預金として、いったん銀行に預けて利用することが多い
      ↓
    銀行は、企業の当座預金をもとに、他の企業に新たな貸出を行う
      ↓
    融資を受けた企業は、当座預金に資金を預ける
      ↓
    これらを繰り返す
      ↓
    銀行は最初に受け入れた預金(本源的預金)の何倍もの預金を生み出す(信用創造)

43. 金融機関

金融機関とは

  • 金融を仲介する機関
  • 金融取引に関する業務を営む組織
  • 狭義には預貯金取扱金融機関のみを指すが、広義には保険会社、証券会社、ノンバンクも含む

金融機関の種類

  • 銀行
    • 日本銀行
      • 日本銀行法に基づく財務省所管の認可法人
      • 日本国の中央銀行
    • 市中銀行(民間銀行)
      • 都市銀行:全国的に営業を展開している
      • 地方銀行:一定地域を中心に営業を展開している
  • 政府系金融機関
    • 日本政策投資銀行
    • 国民生活金融公庫
  • 証券会社
  • 保険会社
金融機関

42. 金融の働き

金融

  • 経済活動に必要な資金を必要なところに融通し合うこと

間接金融

  • 借り手が必要な資金を銀行などの金融機関を通して借り入れる方式

間接金融の発展

  • 資本主義経済では、企業は株式や社債の発行(直接金融)、金融機関からの借入(間接金融)などによって、広く資金を調達する必要がある
  • 高度経済成長期、企業の設備投資資金は主に間接金融で調達された
      ↓
    銀行を中心とした企業グループが形成された
      ↓
    銀行や証券会社といった金融機関の役割が重要になった
      ↓
    バブル崩壊後、企業が株式や社債を発行して、銀行を通さずに直接資金を調達する直接金融が多くなった

41. 貨幣の働き

貨幣=経済活動の血液

  • 資本主義経済では、モノやサービスを買った人はその対価として代金を貨幣で支払わなければならない
  • 労働者は労働を提供した対価として、賃金を貨幣で受け取っている
  • 経済活動において貨幣が流動している

経済と貨幣の関係

  • 経済成長、景気変動、物価などの経済活動の大きさや動きは、世の中に出回っている貨幣の量(通貨供給量)の大きさとその回転の速さに大きな影響を受けている
  • 例)通貨供給量が多いとき
    • 消費者の手元に貨幣が回りやすくなる
    • 消費者の購買意欲が増す
    • 企業は資金を借りやすくなり、設備投資が増加する
    • 需要が増加して物価が上昇する

通貨供給量=マネーサプライ

  • 金融機関以外の個人や企業などが保有する現金や預金などの流動性が高い通貨量
    1. Ml:現金通貨と要求払い預金(当座預金や普通預金)
    2. M2:Mlに定期預金を加えたもの
    3. 通貨供給量:M2に譲渡性預金(CD)を加えたもの

貨幣の機能

  • 商品の価値をはかる価値尺度
  • 同じ価値を持つ商品との交換手段
  • 売買などで生じる債務の支払手段
  • 価値を保存しておく価値貯蔵手段

現金通貨と預金通貨

  • 現金通貨
    • 日本銀行が発行している紙幣(日本銀行券)
    • 独立行政法人造幣局が発行している硬貨(補助貨幣)
  • 預金通貨
    • 支払手段の機能を持つ普通預金や当座預金などの銀行預金
    • 預金通貨は現金通貨の3倍以上の大きさになっている
      • 例)銀行やゆうちょ銀行の普通預金を利用して振込で支払いをする
      • 例)当座預金を利用して小切手や手形を使用して決済する

40. 税制の課題

日本の税制

  • 第二次世界大戦後、1950年のショウプ勧告に基づく税制改革
    • シャウプ税制:所得税、法人税、富裕税、相続税といった直接税を中心とし、補完税として酒税、専売益金といった間接税を配する税体系
    • 日本はシャウプの税制改革により、所得税を中心とする直接税中心主義をとってきた

  • 高度経済成長が終わり、安定成長になると、所得税・法人税などの税収の伸びが鈍ってきた
    • 少子高齢社会に向けて新たな財源を考える必要性

  • 不公平税制が問題となってきた
    • 給料から直接所得税を源泉徴収されるサラリーマンと、自分で所得を税務署へ確定申告する自営業者等とで、税務署が把握する所得の捕捉率に格差がある
      • サラリーマンの補足率:9~10割
      • 自営業者の補足率:5~6 割
      • 農民の補足率:3~4 割
    • 税の不公平
      • 1トーゴーサン(10・5・3)
      • 1クロヨン(9・6・4)

  • 1989年、税制改革
    • 直接税中心の税制を、間接税の割合が高い税制へ改める動き
    • 所得税や法人税の税率が下げられる
    • 消費税3%が導入される

  • 1997年、消費税が5%に引き上げられる
    • 消費税のうち1%は「地方消費税」として地方税に組み入れられる

  • 少子高齢社会の進展
    • 若年層の租税負担が増えることが予想される

39. 所得税

所得税の税率

  • 分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されている
平成27年分以降の所得税率
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え~330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え~695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え~900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

確定申告

  • 所得税は「申告納税制度」を建前としている
    • 個人事業主の場合:確定申告によって納税額を申告する
    • 給与所得者の場合:源泉徴収制度によって、給与から前もって税金が差し引かれて(天引き)、会社が代わりに納税する
  • 給与所得者であっても確定申告をする例
    • 給与の金額が2,000万円を超えている
    • 2カ所以上から給与を受け取っている
    • 給与所得のほかに原稿料(雑収入)を受け取っている
    • 満期の生命保険金などの所得を得た
    • 医療費控除(10万円を超えた分)を受けたい
    • 寄付金控除(1万円を超えた分)を受けたい
  • 確定申告において、納税額が安くなった場合は、国から還付金が指定銀行に振り込まれる

38. 税制

国税と地方税

  • 租税の種類
    • 国に納める「国税」
    • 地方公共団体に納める「地方税」
  • 国税
    • 所得税
    • 法人税
  • 地方税
    • 住民税である「(都)道府県民税」「市町村民税」
    • 土地や家屋に課税される「固定資産税」
    • 企業や商庖などの事業に課税される「事業税」

間接税と直接税

  • 日本の税制は直接税が中心となっている
  • 直接税
    • 租税負担者と実際に納税する者が同一となる税
    • 例)所得税、法人税、相続税、住民税
    • 所得税
      • 個人が1年間に得た所得に課税される
      • 累進課税(課税対象の額が大きくなるほど、税率が高くなる仕組み)
    • 法人税
      • 企業などの法人の所得に課税される
      • 法人の種類によって一定の比率で課税される
      • 法人税は、不況期には税収が落ち込む
  • 間接税
    • 租税を負担する担税者と実際に納税する者が異なる税
    • 例)消費税、酒税、関税(海外から輸入した商品への課税)
    • 消費税
      • 商品やサービスの購入・消費価格に上乗せされて、消費者が負担する税
      • 商品やサービスに上乗せされた消費税は、それを受け取った企業や事業主が納税する
      • 消費税は、所得の多少にかかわらず、消費者すべてに対して一律に課税される
        • 生活必需品への課税は、低所得者には相対的に重い負担になる(逆進的)
        • 商品の代金を支払うときにいっしょに納税し、1回ごとの納税額が少額であることが多いことから、負担者の納税感が所得税に比べて薄くなる

37. 租税の意義

日本国憲法における国民の三大義務

  • 教育の義務
  • 勤労の義務
  • 納税の義務

租税

  • 国や地方公共団体が行う様々な経済活動を支える主な財源

公平の原則

  • 租税の徴収における原則
  • 水平的公平:所得や消費額が同じ者は同じ負担をする
  • 垂直的公平:所得の多い者はより大きい負担をする

累進課税制度

  • 所得の多い者ほど税率を高くする制度で、加えて控除制度を設けている
  • 課税対象額(課税所得)から各種控除額を差し引く
    • 例)配偶者控除・扶養控除:配偶者や子どもを扶養するための費用を差し引く

租税法定主義の原則

  • 法律の根拠がなければ、新たに租税を課したり、それを変更することができない
  • 憲法(84条)に定められている

36. 財政赤字

特例国債(赤字国債)

  • バブル経済崩壊後の景気低迷、高齢社会のための財政支出の増大によって、特例国債が大規模発行される
  • 財政法
    • 建設国債の発行は認めている
    • 国債の日本銀行引き受けを禁止している
    • 一般会計の歳入不足を補うための赤字国債の発行を禁止している
    • 特別立法により、特例国債の発行を認めさせている

特別国債の大規模発行における問題

  • 国債依存度(一般会計歳入に占める国債の割合)が高くなっている
  • 歳出に占める国債費の割合が20%を超え、政策で使える予算が減っている(財政の硬直化)
  • 償還しなければならない国債の発行残高が高くなっている
  • 債務残高対GDP比は200%を超えており、先進国で一番高い
  • 経済の低成長が続き、人口の高齢化が進むなかで、赤字国債の発行を減らす財政改革が難しくなっている

財政構造改革法

  • 正式名「財政構造改革の推進に関する特別措置法」
  • 1997年11月に成立した、財政収支を健全化し、変容する経済社会情勢に対応できるような財政構造を実現することを目的とした法律
    1. 赤字国債の発行をゼロにする
    2. 公共事業費や社会保障などの経費を削減する
  • 景気が低迷したため、1998年 12月に小渕内閣は同法律を凍結し、景気回復を最優先させる措置をとった