日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1 (日経BPクラシックス)
ヨーゼフ・シュンペーター (著), 大野一 (翻訳)
日経BP社 2016.07.13 512ページ
日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1 (日経BPクラシックス)
ヨーゼフ・シュンペーター (著), 大野一 (翻訳)
日経BP社 2016.07.13 512ページ
第6章をまとめると次の通りである。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
優良企業の組織は顧客によって束縛され、自由がきかない。優良企業の合理的かつ機能的な資源配分プロセスは、破壊的技術の商品化を妨げることがある。また企業が大きくなって優良企業になると、新しい市場に早い段階から参入するための根拠が集めづらくなる。
企業の成長率は、株価に強力な影響を与える。企業の株価が将来の利益予測を表すのであれば、株価水準が上昇するか下落するかは、市場の成長予測や企業の利益予想に左右される。株価が堅調に上昇すれば、有利な条件で増資できるようになるし、経営資源も集めやすくなるが、その一方で、企業が大きくなればなるほど、成長率を維持することは難しくなる。
以上のように優良企業はさまざまな制約を受けることから、新しい市場へ参入するのに出遅れる。優良企業にとっては魅力がないほどの小規模であるうちに、破壊的技術が生み出す新しい新市場へ参入することは極めて重要となる。
優良企業の経営者が破壊的変化に直面したとき、小規模市場とその成長をどのように捉えたらよいだろうか。クリステンセン教授は3つのアプローチを提案している。
①~③の要点について次稿より具体的に紹介する。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
クリステンセン教授は第6章の冒頭で、破壊的イノベーションの実現には次の点を認識する必要があると述べている。
優良企業は期待する成長率を維持するのに、毎年度、収入を大幅に増やす必要がある。したがって、破壊的イノベーションがターゲットとする小規模な市場は、優良企業の収入を増やすための対象として有効ではない。このギャップを埋める方法の1つは、破壊的技術の商品化を目的とするプロジェクトを、小規模な市場に見合った小規模な組織に組み込み、企業が成長してもこのような慣行を繰り返すことである。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社