雑学

56. 債務

支払手形、買掛金、前受金

  • 企業の主目的たる企業取引において生ずる債務
    • 商品や原材料等の購入などによって生ずる支払手形や買掛金
    • 販売に先立って生ずる前受金
  • 決済日が1年以内に到求しないもの
  • 正常営業循環基準の適用によって「流動負債」に分類される

預り金、未払金、前受収益、未払費用

  • 預り金
    • 現金等を一時的に預かることによって生ずる債務
    • 従業員の源泉所得税
  • 未払金
    • 商品や原材料以外のものの購入によって生ずる債務
    • 土地や有価証券を購入した対価の未払い分
  • 預り金と未払金の分類
    • 企業の主目的たる営業取引以外の取引によって生ずる
    • 1年基準の適用によって「流動」と「固定」とに分類される
  • 前受収益
    • 一定の契約に従って、継続的に役務を提供する場合において、いまだ提供していない役務の対価を受領したもの
  • 未払費用
    • 一定の契約に従って、継続的に役務の提供を受ける場合において、すでに提供された役務について対価をいまだ支払っていないもの
  • 前受収益と未払費用の分類
    • 発生主義にもとづく当期の収益、および費用の認識によって計上される調整項目
    • 前払費用、および未収収益とともに「経過勘定」と呼ばれる
    • すべて「流動負債」に分類される

借入金

  • 企業の主目的たる営業取引ではなく、金銭貸借取引によって生ずる債務
  • 「流動」と「固定」との分類には1年基準が適用される
    • 返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来する短期借入金は「流動負債」
    • 返済期限が1年以内には到来しない長期借入金は「固定負債」

社債

  • 企業が資金調達のために発行する有価証券の一種
    • 不特定多数の人から個別に資金を調達するという点では株式と類似している
    • 調達した資金の返済義務(償還義務)を負い、利息を支払うという点で株式とは異なる
  • 社債の種類
    • 普通社債
    • 株式に転換する権利を附与した転換社債
    • 一定の金額で新株式を購入する権利を附与した新株予約権付社債

55. 負債の本質と分類

負債の捉え方

  1. 「負債 = 他人資本」の場合
    • 「すでに資源を受け入れていること」および「受け入れた資源に対して、外部者が持ち分を有していること」をもって、負債の本質が規定される
  2. 「負債=マイナスの財産」の場合
    • 「将来における経済的資源の流出」が負債の本質となる

近年の傾向

  • 近年は、負債をマイナスの財産として捉える傾向にある。
    • 企業会計基準委員会「財務会計の概念フレームワーク」の負債の定義
      • 「過去の取引または事象の結果として」
      • 「報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す」
      • 「義務、またはその同等物」
    • 経済的資源の流出という将来事象を把握するには不確定な要素が多い
    • 負債の認識は、資源を流出させる義務を負っているか否か、あるいは、その流出が不可避であるか否か、にもとづいて判断しなければならない

負債の分類

  1. 法的債務
    • 確定債務
      • 期日、相手、額がすべて確定している債務
    • 条件つき債務
      • ひとつでも不確定なものがある債務
      • 製品保証引当金
        • 製品の購入者が修理を申し出た際に発生する条件付き債務
  2. それ以外のもの
    • 法的債務には該当しないものの、将来における財産の流出が合理的に予測されるもの
      • 会計的負債として認識される
    • 修繕引当金
      • 設備の利用によって修繕の必要が生じ、修繕を行うことによって財産が流出するという負債
    • このような負債は、期日も、相手も、額も特定されていないが、財産の流出が将来において合理的に予想されるため計上する

流動負債と固定負債

  • 貸借対照表では、負債は「流動負債」と「固定負債」とに分類して表示される
    • 資産・負債を「流動」と「固定」とに分類表示することによって、企業の財政状態はより明確に示される
    • 特別法上の準備金がある場合は、さらに「引当金」の区分が設けられる
  • 流動と固定の分類手順
    1. 正常営業循環に属する支払手形や買掛金が流動負債とされる
    2. それ以外の負債に1年基準が適用される

54. 繰延資産

繰延資産

  • ある支出の効果が将来に渡って発現すると期待される場合に、いったん資産として繰り延べられ、徐々に費用化される資産
  • 繰延資産には、償却期間に渡って均等額以上の償却が行われる

繰延資産の捉え方

  1. 「資産=換金価値があるもの」とする立場
    • 繰延資産の計上は認められない
  2. 「資産=投下資本の回収形体を示すもの」とする立場
    • 繰延資産は将来の収益獲得に貢献する支出であって、将来の収益に対応する資産であると考える
  3. 「資産=将来の経済的便益」とする立場
    • 将来に渡って効果を発現する繰延資産の計上が認められる

繰延資産の例

  • 会社の設立や営業開始のための支出(創立費、開業費)
  • 将来の収益増加や費用削減のための支出(試験研究費、開発賞)
  • 資金調達、株式や社債の発行に要した支出(新株発行費、社債発行費)
  • 社債の額面額と発行価額との差額(社債発行差金)

臨時巨額損失

  • 繰延資産ではないが、天災等によって固定資産等の資産が巨額の損失を被り、その損失が当期の純利益、または未処分利益では補てんできず、法令によって認められる場合は、その損失額を一時的に資産に計上し、繰り延べることができる
  • 臨時巨額損失は、政策上の処理であって、会計上の資産ではないことから、できるだけ早期に償却しなければならない

53. 固定資産 (3)

無形固定資産

  • 物質的な存在形体は持たないが、企業活動のために長期に渡って利用される資産
    • 法律上の権利のみならず、ソフトウェアの制作に要した費用なども無形固定資産として計上される
      • 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、借地権、鉱業権、漁業権など
    • 取得原価によって評価される
    • 規則的な償却続きによって費用化される
  • のれんの処理
    • 他企業の買収や合併において、受け入れた純資産の額より支払い額が多い場合には、超過額を「買い入れのれん」として無形固定資産に計上する
      → 相手の企業に超過収益力があると考えられるため
    • 自社の超過収益力を評価した「自己創設のれん」は、資産としての計上が認められていない
      → その価値を客観的に測定することが困雛であるため

投資その他の資産

  • 有価証券のうち、流動資産とはならないもの
    • 満期保有目的債券で満期日が1年以内に到来しないもの
    • 子会社、関連会社株式
    • その他の有価証券
  • 期限が1年以内に到来しない長期貸付金や定期預金
  • 1年以内の回収が見込めない破産債権や更生債権

52. 固定資産 (2)

減価償却費の計算方法
いずれも取得原価から残存価値を控除した額を費用化する方法だが、各期への配分方法が異なる

  1. 定額法
    • 減価償却費 = ( 取得原価 - 残存価額 ) ÷ 耐用年数
    • 費用化される額を耐用年数に渡って定額ずつ配分し、減価償却費を計算する方法
  2. 定率法
    • 減価償却賞 =(取得原価 - 減価償却累計額)× 償却率
    • 未償却残高に一定の償却率で減価償却費を乗じて計算する方法
    • 償却率は耐用年数にもとづいて定められ、毎年一定である
    • 取得してから間もない資産の場合は費用の額が大きく、残存耐用年数が少ない資産の場合は費用の額が小さくなる
  3. 級数法
    • 減価償却費 = ( 取得原価 - 残存価額 ) × ( n - k + 1 ) ÷ ( n ( n + 1 ) ÷ 2 )
      ※ 耐用年数 n の資産の k 年目の減価償却
    • 算術級数を用いて各期に配分する方法
    • 取得してからまもない資産の場合は費用の額が大きく、残存耐用年数が少ない資産の場合は費用の額が小さくなる
    • 費用の差は定率法ほどは大きくない
  4. 生産高比例法
    • 減価償却費 = ( 取得原価 - 残存価額 ) × ( 当期実際利用量 ÷ 総利益可能量 )
    • 耐用年数ではなく、利用割合によって計算する方法
    • 適用対象となる資産
      • 総利用可能量をあらかじめ推定できるもので、かつ減価の主な原因が利用によるもの
      • 航空機や自動車など

51. 固定資産 (1)

固定資産

  • 販売目的ではなく、利用・投資等を目的として、企業が長期に渡って保有する資産
  • 販売目的で所有される不動産会社の建物や自動車販売会社の車両などは固定資産ではなく、棚卸資産に分類される
  • 前期まで固定資産に分類されていた債権や有価証券のうち、1年以内に期限が到来するものは流動資産に分類される

有形固定資産

  • 土地、建物、構築物、機械装置、車両運搬、工具器具、備品などの物質的な存在形体を持ち、長期に渡って保有される資産
      ↓
    企業活動に用いられる、あるいは時間の経過によって、その能力が費消され、価値が減少する
      ↓
    価値の額を物理的に把握することは困難なため、減価償却の手続きが行われる
  • 減価償却の対象外
    • 土地は、その能力が費消されることなく、永久に利用されうることから、減価償却を行わない
    • 建設仮勘定は、建設中の有形固定資産を示すもので、当該資産はいまだ使われていないため、減価償却を行わない
  • 減価償却の手続きへの捉え方
    1. 費用配分の側面
      • 物部的には把握しづらい能力の費消を捉え、利用期間とされる耐用年数に渡って費用を配分するための手続き
    2. 貸借対照表における資産評価という側面
      • 資産価値の減少分を認識する手段
    3. 投下資本の回収という側面
      • 減価償却費という支出を伴わない費用を計上することによって、同額の流動資産を企業内に保有し、固定資産に投下された当初の金額を回収するための手段
    4. 資産の取得時や廃棄時における期間費用の増加を避ける側面
    5. 資産の取り替えのための資金を確保する側面
  • 資産評価を重視するのであれば、取得原価を基礎とする減価償却よりも、時価による評価のほうが適切であろう

有形固定資産の取得原価を費用化する方法

  1. 減価償却
    • 費用配分、投下資本の回収の側面から行われる手続き
  2. 取替法
    • 鉄道の枕木やレール、電柱など同種の資産が多く集まってひとつの機能を果たすような固定資産について、部分的な取り替えのための費用を計上する方法
  3. 廃棄法
    • 固定資産の取得時に、資産計上したまま減価償却は行わず、資産の取り替えを行う際に、廃棄した旧資産の取得原価を費用計上する方法
  4. 減損
    • 保有する固定資産の収益性が低下し、簿価額の回収が見込めなくなった場合には、回収不能分を減額する必要がある
    • 減損の認識によって生ずる減損損失は、当該期間の特別損失に計上される

50. 流動資産 (3)

棚卸資産(商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等)

  • 棚卸資産 = 企業の通常の営業活動において、販売を目的として保有され、短期間に費消部分を物量的に把握できる資産
  • 流動資産に分類される
  • 棚卸資産の種類
    • 販売のために他企業から購入した商品
    • 自ら生産した製品
    • 生産の途中段階の半製品(生産途中でも外部に販売できるもの)
    • 仕掛品(生産途中では外部に販売できないもの)
    • 生産のために短期間に費消される原材料、消耗品(貯蔵品)
    • 販売活動や一般管理活動のために費消される消耗品(貯蔵品)
  • 棚卸資産の評価・計上
    • 基本的には取得原価で評価される
    • 費用配分の原則にもとづいて、費消分が当期の費用配分される
    • 未費消分は、資産のまま計上され、次期以降の費用に配分される
    • 当期に費消された棚卸資産の額を計算するためには、棚卸資産の物量と単価とを計算する必要がある
      • 物量は、継続記録法(帳簿棚卸法)または実地棚卸法によって把握される
      • 単価は、個別法、先入先出法、後入先出法、平均法、売価還元法などによって把握される

棚卸資産の物量を測る方法

  1. 継続記録法(帳簿棚卸法)
    • 商品有高帳などの帳簿記録によって、棚卸資産の費消分と期末在庫分とを継統的に把握する方法
  2. 実地棚卸法
    • 決算時においてなど、定期的に行われる実地棚卸にもとづき、以下の式で当期費消分を間接的に把握する物量計算の方法
      • 期首数量 + 当期取得数 - 期末数量 = 当期費消数量
    • いずれの方法によっても期末棚卸資産の数量は一致するはずである
      • 実際には、移動や展示による破損、紛失などによって、実地棚卸法の数の方が少なくなる
      • 不足分は、棚卸減耗として当期の費用に含められる

棚卸資産の単価を計る方法

  1. 個別法
    • 取得原価が異なる棚卸資産ごとに区別して把握し、個々の実地原価によって、費消分および期末在庫分の単価を算定する方法
  2. 先入先出法
    • 最も古く取得したものから費消し、期末在庫分は最も新しく取得したものであるとみなす方法
  3. 後入先出法
    • 最も新しく取得したものから費消し、期末在庫分は最も古く取得したものであるとみなす方法
  4. 平均法
    • 取得した棚卸資産の平均単価を計算する方法
    • 移動均法(取得ごとに平均単価を計算する)
    • 総平均法(一定別間に取得した棚卸資産の総価額を総数量で割る)
  5. 売価還元法
    • 期末棚卸資産の売価の合計額に原価率を乗じて、取得原価を把握する方法
  6. 強制評価減
    • 期末棚卸資産は基本的には取得原価で評価されるが、時価が取得原価より著しく下落し、回復の見込みがあると認められない場合には、時価によって評価しなければならない
    • 切り下げられた場合の評価損は、営業外費用、または特別損失として計上される
  7. 低価法
    • 時価が取得原価まで回復する見込みがある場合や、時価の下落が著しくない場合であっても、時価と取得原価とのいずれか低い
    • 価額によって評価することが認められている
    • 強制評価減とは異なり、企業は任意で適用することができる
    • 適用した場合には、以後継続して行なわなければならない

49. 流動資産 (2)

未収金、前払費用、未収収益

  • 営業取引以外の取引によって生ずる債権
    • 未収金
      • 商品や製品以外の資産(土地や有価証券など)の売却によって生じた債権
      • 経過勘定
    • 前払費用
      • 企業の主目的たる営業取引以外の取引によって生ずる債権
      • 一定の契約に従って継続的に役務の提供を受ける場合において、いまだ提供されていない役務の対価を支払ったもの
    • 1年基準を適用
  • 未収収益
    • 一定の契約に従って継続的に役務を提供する場合において、すでに提供した役務について、いまだ対価を受領していないもの
    • すべて流動資産
  • 前払費用と未収収益
    • 発生主義にもとづく当期の収益・費用の認識によって計上される調整項目

経過勘定

  • 前受収益、未払費用、前払費用、未収収益

貸付金

  • 営業取引ではなく、金銭貸借取引によって生ずる債権
  • 1年基準を適用
    • 決算日の翌日から起算して、1年以内の回収が見込める「短期貸付金」は「流動資産」、1年以内には回収されない「長期貸付金」は「固定資産」とみなす

貸倒引当金

  • 受取手形、売掛金、貸付金などの債権は相手先の倒産などによって回収不能(貸し倒れ)になる危険性をともなう
  • 貸倒引当金 = 回収不能額をあらかじめ見債って、債権額から控除する項目
    • 債権額 - 貸倒引当金(回収不能額の搾除)= 債権の回収見込み額
  • 減価償却累計額と同様、資産の評価勘定としての性質を持つことから「評価性引当金」とも呼ばれる
  • 貸し倒れによる損失は、債権取引に内在する費用であり、当期の収益と対応すべき費用である
      ↓
    貸倒引当金を設定する際には、貸倒引当金繰入(費用勘定)が同時に計上される

    借方 貸方
    貸倒引当金繰入 10,000 貸倒引当金 10,000

経過勘定

  • 前受収益、未払費用、前払費用、未収収益

48. 流動資産 (1)

現金・預金

  • 会計上の現金
    • 通貨
    • 即座に換金可能なもの
      • 他人振出の当座小切手
      • 郵便為替証書
      • 期日の到来した公社債の利札
      • 株式の配当金領収証
  • 預金
    • 銀行や信託会社などの金融期間における各種の預金や貯金
    • 金銭信託
    • 1年基準を適用
    • 決算日の翌日から起算して、1年以内に期限が到来する預金は「流動資産」、期限が1年以内には到来しない預金は「固定資産」とみなす

受取手形、売掛金、前払金

  • 企業の主目的である営業取引において生ずる債権
    • 販売によって生ずる受取手形や売掛金
    • 商品や原材料等の購入に先立って生ずる前払金
    • 正常営業循環基準の適用によって「流動資産」とみなす
  • 破産債権や更生債権など、正常営業循環には属さない債権
    • 1年基準を適用
    • 決算日の翌日から起算して、1年以内の回収が見込めない債権は「固定資産」とみなす
  • 受取手形、売掛金、有価証券
    • 容易に換金することができ、支払い手段としての能力が極めて高い資産

有価証券

  • 株式や公社債など、金融商品取引法に定められたもの
  • 1年以内に満期となるものは「流動資産」、それ以外は有価証券は「固定資産」、または「投資その他の資産」とみなす
  • 保有目的や属性によって4種類に分類される
    1. 売買目的有価証券
      • 企業が資金運用の一環として、時価の変動による利益を得るために保有する有価証券
      • 事業に影響を及ぼすことなく、いつでも市場で換金することができ、比較的短期間に頻繁に売買される
      • 期末時価によって評価され、評価差額は当期の損益として処理される
    2. 満期保有目的債券
      • 企業が満期まで保有する意図をもって所有する社債、その他の債券
      • 時価が変化しても売却されないため、償却原価法によって評価される
        • 償却原価法 = 債券等を額面額と異なる額で取得した場合、その差額を利息とみなし、満期まで一定の割合で債券の額を増減させる方法
      • 満期保有目的債券とはみなされず、時価によって評価される場合
        • 「企業が当該債券を満期まで保有する意図をもって所有していること」が確認できない
        • 「企業の財務能力に照らして保有が可能であること」が確認できない
    3. 子会社株式、関連会社株式
      • 子会社 = 意思決定機関が当該企業(親会社)によって支配されている会社
      • 関連会社 = 当該企業(親会社)またはその子会社が出資、人事、取引等の関係を通じて、財務および営業の方針決定に関して重要な影響を与えることができる会社
      • 株式は投資額である「取得原価」によって評価される
    4. その他の有価証券
      • 1.~3. 以外の有価証券
      • 時価によって評価される
      • 評価損益は企業の経営努力とは関係がないため、当期の損益とはされず、純資産の部に資本と区別して記載される
  • 満期保有目的債券、子会社株式、関連会社株式、その他の有価証券のうち、市場価格があるものの時価が著しく下落し、回復する見込みが認められない場合には、評価額を時価まで切り下げ、評価差額を当期の損失として計上する必要がある
  • 市場価格のないものについても、発行会社の財政状態の悪化によって実質価額が著しく低下した場合には、同様の処理を行う

当座資産

  • 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券

47. 資産の分類

資産の分類

  1. 資産を「貨幣性資産」と「非貨幣性資産」とに分類する考え方
    • 資産を「投下資本の具体的な形体を示すもの」とする捉え方から生じた考え方
  2. 投下資本の具体的な形体によって「貨幣性」と「非貨幣性」に分類する考え方
    • 貨幣性資産 = 回収資本、未投下資本の状態にある資産
      • 回収資本の状態 = 収益の獲得によって回収された状態(受取手形や売掛金など)
      • 未投下資本の状態 = 調達されたままの状態にあるもの(現金や預金など)
      • 回収資本は、販売過程を経ずに現金化され、資産に投下することができる
      • 現金化ができるという意味で、回収資本と未投下資本は同類とみなされる
    • 非貨幣性資産 = 投下資本の状態にある資産
      • 投下資本の状態 = 投下されて他の財やサービスに形を変えたもの(棚卸資産や有形固定資産など)
    • 土地や有価証券の扱い方に関連して問題点が指摘されている
      • 費用化されない土地は、投下されても回収されない
      • そもそも資産は、投下資本回収過程にあるものだけではないため、貸付や有価証券に関わるものとは区別すべきである
  3. 資産を「将来において経済的便益が発現するもの」として捉え、その経済的性質と評価額との関連によって、「貨幣性資産」と「非貨幣性資産」とに分類する考え方
    • 貨幣性資産 = 回収額が確定している現金、預金、債権、有価証券
      • 回収可能額によって評価される
    • 非貨幣性資産 = その他の棚卸資産、固定資産、繰延資産など
      • 原価で評価される