高校レベルの会計

26. 一般原則:重要性の原則

重要性の原則

  • 「企業会計は、定められた会計処理の⽅法に従って正確な計算を⾏うべきものであるが、企業会計が⽬的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで、他の簡便な⽅法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる」とする原則
  • 企業会計原則注解に⽰された原則
  • 会計処理の⽅法だけでなく、財務諸表の表⽰にも適⽤される

重要性の原則のルール

  • 重要性の乏しい項⽬の会計処理や表⽰において、簡便な⽅法をとることを許容している
    • 重要性の乏しい項⽬に厳密な⽅法を採⽤したとしても、労⼒ほどの効果を期待できず、厳密な⽅法をとることの意義が希薄となるため
    • 過度に詳細な表⽰となれば、かえって財務諸表の概観性や利便性を損なうことになるため
  • 重要性の原則は、会計処理の⾯では「正規の簿記の原則」、表⽰の⾯では「明瞭性の原則」と関連する
    • 正規の簿記の原則
      → 会計処理において重要性の原則が適⽤された場合、簿外資産や簿外負債が⽣ずる
    • 明瞭性の原則
      → 表⽰に関して重要性の乏しい項⽬は、独⽴の表⽰はせず、他の項⽬に含めて表⽰することが認められる
  • 「企業会計原則注解」にまとめられた重要性の原則
    • 重要性の乏しいものについては、簡便な⽅法を認める
    • 重要性の⾼いものについては、真実な報告を⾏うためにも、より詳細に記録・表⽰しなければならない
      • 真実な報告をささえるもの
      • 明瞭性の原則に包摂される

重要性の原則と明瞭性の原則との関係

  • 明瞭性の原則
    過度に詳細な表⽰をすれば、かえって財務諸表の概観性や利便性を損なってしまう
      ↓
  • 情報過多は概観性を低下させ、明瞭性を低下させてしまう
      ↓
  • 重要性の原則
    ⼀般的に重要性の乏しいものには簡便な⽅法を⽤いなければならない
      ↓
  • 重要性の原則は、明瞭性の原則を⽀えるものとなる

重要性の原則の適⽤が認められる例

  • 消耗品や貯蔵品などを、買い⼊れ時に資産として計上することなく、即時に費⽤化する
  • 経過勘定のうち、重要性の乏しいものは計上しない
  • 引当⾦のうち、重要性の乏しいものは計上しない
  • 棚卸資産の附随費⽤のうち、重要性の乏しいものは取得原価に算⼊しない
  • 1年以内に期限の到来する分割返済の定めのある⻑期の債権、債務のうち、重要性の乏しいものは流動資産、流動負債として表⽰しない
  • 特別損益項⽬であっても重要性の乏しいもの、または経常的に発⽣するものは、経常損益計算に含める

25. 一般原則:単⼀性の原則

単⼀性の原則

  • 「株主総会提出のため、信⽤⽬的のため、租税⽬的のため等、種々の⽬的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表⽰をゆがめてはならない」とする原則
  • 財務諸表の形式⾯での多元性は認めるものの、実質⾯では、⼀元性を要求するもの

財務諸表の実情

  • 企業は多様な⽬的ごとに形式の異なる財務諸表を作成する
    • 租税⽬的の場合
      → 課税所得が明らかになる財務諸表
    • 信⽤⽬的の場合
      → 債務弁済能⼒が明らかになる財務諸表
    • 株主総会提出⽤の場合
      → 経営者の経営責任や経営能⼒が明らかになる財務諸表
  • 経営者は、それぞれの作成⽬的をより効果的に果たしうる財務諸表を作成する動機を持つ
    • 株主や債隆者向けの財務諸表
      → できるだけ多くの利益や純資産を計上することによって、信任の獲得や資⾦調違などを容易にする
    • 租税⽬的の財務諸表
      → 利益を少なく計上することによって、課税所得を減らす
    • ⼆重帳簿など、事実を歪めた記録から作成されることは認められない
      財務諸表は、正規の簿記の原則に準拠して、経済的事実に基づく同⼀の会計記録から作成されなければならない

単⼀性の原則における財務諸表のルール

  • 様式、科⽬の配列、科⽬分類の精粗などの形式が、作成⽬的ごとに異なることは認める
  • 作成⽬的に応じて、異なる利益や純資産を計上することは許されない
  • 財務諸表の実質的内容には、⽬的の如何にかかわらず、単⼀であることが要求される

24. 一般原則:保守主義の原則

保守主義の原則

  • 「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない」とする原則
    • 健全性の原則
    • 慎重性の原則
    • 安全性の原則

保守主義の原則で要求される健全な会計処理

  • 企業会計においては、収益や費⽤などの計上や、資産や負債の評価にあたって、不可避的に判断や⾒積りが介⼊する
  • 判断や⾒積もりが必要な場合には、利益がより少なく算定される会計処理⽅法を選択することを要求する
    • 収益や利益について確実になった時点で計上し、費⽤や損失については予測をもって早期に計上する
    • 耐⽤年数や貸し倒れの発⽣率などのような不確定な将来事象が関わる場合は、判断や⾒積もりを可能な限り慎重に⾏う
  • 保守的な会計処理⽅法が選択されることによって、純資産の充実が果たされ、財務的に健全な財務諸表が作成される
    • 予想の利益は計上してはならないが、予想の損失は早期に計上する
    • ⼀般に公平妥当と認められた会計原則の枠内においてのみ認められる

保守主義の原則の適⽤例

  • 割賦販売において回収基準を⽤いること
  • 減価償却の⼿続きにおいて償却期間をより短期に設定すること
  • 貸し倒れの発⽣率をより⾼く⾒積ること減価償却を定率法によって⾏うこと
  • 棚卸資産の期末評価に低価基準を⽤いること

23. ⼀般原則:継続性の原則

継続性の原則

  • 「企業会計は、その処理の原則及び⼿続を毎期継続して適⽤し、みだりにこれを変更してはならない」とする原則
  • 複数の会計処理⽅法が認められている場合において、⼀度採⽤した会計処理⽅法を、他の⽅法へ変更することを規制するもの

会計処理の選択

  • 財務諸表の作成では、1つの取引や経済的事実に対して、複数の会計処理⽅法が⽤意され、財務諸表作成者がその中から適当なものを選択することができる場合がある
    • 棚卸資産の払い出し単価の決定⽅法
      • 先⼊先出法
      • 後⼊先出法
      • 移助平均法
    • 固定資産の減価償却⽅法
      • 定額法
      • 定率法
  • 複数の会計処理⽅法からの選択が認められている理由
    • 規模、業種、営業形体などにおいて、多種多様な企業に特定の会計処理⽅法のみを画⼀的に強制すると、かえって実態とは異なる財務諸表が作成されてしまう
    • 企業の現実に照らし合わせて考案され、会計実務を通して慣習化し、⼀般に公正妥当と認められるようになった、複数の会計処理⽅法を⼀元化することは困難である
  • 採⽤した会計処理⽅法に継続性が求められる理由
    • 財務諸表作成者が恣意的に会計処理⽅法を変更すると、利益操作が可能となる
    • ⼀度採⽤した⽅法が変更されると、同⼀企業の財務諸表の期間⽐較ができなくなる

継続性の原則のルール

  • ⼀度採⽤した会計処理⽅法は、正当な理由によって変更される場合を除き、継続的に適⽤されなければならない
    • 例)× 定額法から定率法への変更
  • 会計処理⽅法の変更が、同⼀⽅法の継続的な適⽤よりも有益な情報を提供する場合は、変更が認められる
    • 会計処理⽅法の変更が認められる理由
      • 企業の⼤規模な経営⽅針の変更(取り扱い品⽬の変更、製造⽅法の変更、経営組織の変更など)
      • 経済環境の急激な変化(国際経済環境の急変、急激な貨幣価値の変動、関連法令の改廃など)
    • 正当な理由によって変更を⾏った場合には、変更内容、変更理由、変更による財務諸表への影響を注記しなければならない

22. ⼀般原則:明瞭性の原則

明瞭性の原則

  • 「企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明確に表⽰し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」とする原則
  • 財務諸表は、利害関係者に対する会計情報の提供を⽬的としているため、必要とされる会計情報を充分かつ円滑に提供することができるように、明瞭に表⽰されなくてはならない

会計処理の結果としての「会計数値の明瞭な表⽰」

  1. 総額主義の原則
    • 費⽤及び収益は、総額によって記載する
    • 費⽤の項⽬と収益の項⽬とを直接に相殺することによって、その全部または⼀部を損益計算書から除去してはならない
  2. 区分表⽰の原則
    • 貸借対照表を「資産の部」「負債の部」「資本の部」の3区分に分ける
    • 資産の部を「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に区分する
    • 負債の部を「流動負債」「固定負債」に区分する
  3. 収益費⽤対応表⽰の原則
    • 費⽤と収益は、その発⽣源泉に従って明瞭に分類する
    • 各収益項⽬とそれに関連する費⽤項⽬を、損益計算書に対応表⽰させる

会計数値を計算するために適⽤された「会計⽅針」の開⽰

  • 選択可能な複数の会計⽅針が存在する場合、どの会計⽅針を採⽤しているのかを開⽰していなければ、会計事実を明瞭に表⽰しているとはいえない
    • 会計⽅針 = 財務諸表の作成にあたって採⽤した会計処⾥および表⽰の⽅法
  • 企業会計原則が挙げる開⽰すべき項⽬
    • 有価証券の評価基準および評価⽅法
    • 棚卸資産の評価基準および評価⽅法
    • 固定資産の減価償却⽅法
    • 費⽤および収益の計上基準などの会計⽅針
  • 特定の会計⽅針のみしか採⽤しない(代替的な⽅法が認められていない)場合は、会計⽅針の開⽰を省略することができる
  • 会計⽅針の開⽰⽅法
    • 財務諸表の末尾に注記事項として記載するか、または個別注記表を作成する
    • ⾦融商品取引法が適⽤される場合は、附属明細表を作成する

後発事象、偶発債務のような「企業経営に影響を及ぼす可能性」の開⽰

  • 重要な後発事象の開⽰は、将来の財政状態および経営成績を理解するために、補⾜情報として必要とされる
    • 後発事象 = 決算⽇(期末)後に発⽣した事象であり、次期以降の財政状態、および経営成績に影響を及ぼすもの
  • 企業会計原則が挙げる注記すべき後発事象
    • ⽕災や出⽔等による重⼤な損害の発⽣
    • 多額の増資、減資
    • 多額の社債の発⾏、繰り上げ償還
    • 会社の合併
    • 重要な営業の譲渡、譲り受け
    • 重要な係争事件の発⽣、解決

附属明細表

  • 貸借対照表や損益計算書では利便性を考慮して、適度に勘定科⽬を合算する(概括的表⽰)売掛⾦、買掛⾦、売買⽬的有価証券といった勘定科⽬からは、債権や債務の貸付先・借り⼊れ先、保有有価証券の銘柄などは分からないため「附属明細表」によって詳細を報告する
    • 附属明細表 = 利害関係者が関⼼をもつ特定項⽬の詳細をまとめた明細表
    • 有価証券明細表、有形固定資産明細表など

21. ⼀般資本取引と損益取引との区別の原則

資本取引と損益取引との区別の原則

  • 「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余⾦と利益剰余⾦とを混同してはならない」とする原則
  • 「資本」と「利益」の区別は、適正な期間損益計算、そして株主資本の表⽰において重要となる

貸借対照表の貸⽅(株式会社の場合)

負債 流動負債
固定負債
純資産 株主資本 資本⾦
資本剰余⾦
利益剰余⾦
その他の要素 評価、換算差額等
新株予約権

負債

  • 流動負債
    • 取引によって発⽣した債務、および貸借対照表作成の翌⽇から起算して1年以内に⽀払い期限がやってくる債務
  • 固定負債
    • ⽀払い期限が1年以上後になり、それまでは⽀出もしくは費⽤化されない負債

純資産

  • 株主資本
    1. 資本:株主からの払込資本
      • 資本⾦
        • 払込資本
        • 株主から調達した経営活動を⾏うための元⼿資⾦
      • 剰余⾦:利益が内部留保されたもの(留保利益)
        • 資本剰余⾦
          • 資本取引から⽣じた剰余⾦
          • 資本取引 = 追加的な出資や資本の引き出しなど「直接的」に純資産の増減をもたらす取引
        • 利益剰余⾦
          • 損益取引から⽣ずる剰余⾦
          • 損益取引 = 利益の獲得を⽬的とし、「間接的」に純資産の増減をもたらす取引
          • 経営活動が成功すれば、利益が⽣じて純資産が増加し、失敗すれば損失が⽣じて純資産が減少する
          • 資本取引と損益取引とのいずれに属するかについては、判断がつきかねる取引がある
  • その他の要素
    1. 評価、換算差額等
      • 時価評価に伴う含み損益を益計算には反映させずに、純資産の部で調整して、税効果会計を適⽤するための勘定
    2. 新株予約権
      • 新株予約権を計上するための勘定
      • 新株予約券 = 株式会社に対して⾏使することにより、株式の交付を受けることができる権利

20. ⼀般原則:正規の簿記の原則

正規の簿記の原則

  • 「企業会計はすべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない」とする原則
  • 記録⾯において財務諸表の真実性を⽀える原則(記録形式に関する原則)
  • ① 記録の網羅制、② 検証可能性、③ 秩序性、の3要件を満たす記録形式で、会計帳簿の作成を要請する

正規の簿記の原則が容認しないこと

  • 実在する資産や負債を「簿外資産」や「簿外負債」とすること(帳簿に記載しないこと)は「① 記録の網羅性」によって許容されない
  • 簿外資産、簿外負債とする処理は、影響を⼩さくとどめることを条件として、重要性の乏しい項⽬であれば容認される

① 記録の網羅性

  • 「すべての取引が会計帳簿に完全に記録される」という性質
  • 網羅性が確保されることによって、取引の漏れがない財務諸表の作成が可能となる

② 記録の検証可能性

  • 「会計帳簿における記録が取引事実にもとづくものであると客観的に確認できる」という性質
  • 会計帳簿における記録が、取引事実を⽴証しうる納品書、領収書、借⽤書、出庫伝票などの証拠資料をもとに⾏われ、必要に応じて帳簿記録から実際の取引への跡づけができる
  • 会計帳簿の信頼性が確保される

③ 記録の秩序性

  • 「取引が⾸尾⼀貫したルールに則して組織的に記録される」という性質
  • 個々の取引を記録した原資料として、会計帳簿から最終的に作成される財務諸表までの記録プロセスが体系的に⾏われる

19. ⼀般原則:真実性の原則

真実性の原則

  • 「企業会計は企業の財政状態、及び経営成績に関し、て真実な報告を提供するものでなければならない」とする原則
  • 会計原則全体における最上位の規範
  • 企業会計に「真実な報告」を要求する

真実性

  • 財務諸表は真実なものでなければならず、虚偽の記載があってはならない
  • より適切な判断により、正確な⾒積りの結果として達成される「相対的な真実性」を意味する

財務諸表作成における真実性

  • 財務諸表の作成では、1つの取引や経済的事実に対して、複数の会計処理⽅法が認められている場合がある
  • 財務諸表作成者(経営者)は、認められている処理⽅法の中から、最適な⽅法を選択して適⽤する
  • 真実の報告に値する最適な会計処理⽅法を選択しなければならない

真実性の現実

  • ⼀般に公正妥当と認められた会計原則に従っていても、財務諸表作成者による主観的な判断の介⼊は避けられない
  • どの会計処理⽅法が選択されるかによって、報告される会計数値が異なってしまう
  • 財務諸表作成者による将来事象の予測や⾒積りに基づく数値を利⽤しなくてはならない場合がある
  • 引当⾦の設定、有形固定資産の耐⽤年数の決定など
  • 予測や⾒積もり次第で、同⼀の経済的事実が異なる会計数値で報告されてしまう

相対的真実性

  • 財務諸表における真実性は「絶対的真実性」ではなく「相対的真実性」である
  • 「会計という⾏為」「財務諸表の作成⽅法」は、伝達対象の関⼼や要求を念頭に規定されるため、そのときどきにおいて変容せざるをえない
    • 会計という⾏為
      • 企業の経営活動を認識し、測定し、それによって作成された会計情報を伝達する⾏為
      • 「誰のために会計を⾏うのか」によって規定される
      • 伝達対象の要求を満たすような会計情報を提供すべく、認識、測定、伝達の⽅法が規定される
    • 財務諸表の作成
      • 伝達対象(利害関係者)の要求が考慮される
      • 株主の⽴場 → 投資対象となる企業の収益性など投資判断に有⽤な情報を重視
      • 債権者の⽴場 → 債務弁済能⼒など財務的安全性に関する情報を重視

18. 企業会計原則の⼀般原則

企業会計原則

  • 企業会計の実務において慣習として発達したものの中から、⼀般に公正妥当と認められたところを要約したもの
  • 「⼀般原則」、「損益計算書原則」、「貸借対照表原則」の3部構成からなる

⼀般原則

  • 企業会計全体に関する包括的な基本原則
  • 財務諸表の作成における、会計処理⽅法や財務諸表の表⽰⽅法に関する規範的なルールを、8つの原則によって⽰している
    1. 真実性の原則
    2. 正規の簿記の原則
    3. 資本取引と損益取引との区別の原則
    4. 明瞭性の原則
    5. 継続性の原則
    6. 保守主義の原則
    7. 単⼀性の原則
    8. 重要性の原則

17. 静態論と動態論

会計の捉え⽅

  • 会計の基本的な考えは「静態論」と「動態論」とに⼤別される
  • 静態論:資産負債アプローチ、動態論:収益費⽤アプローチ
  • 歴史的には「静態論 → 動態論」と移⾏してきた
  • 現⾏の会計は「動態論」に基づいている

静態論と貸借対照表

  • 静態論
    • 債権者保護を重視する
    • 債務の弁済に⽤いることのできうるものがどれだけあるかを重視し、換⾦価値のあるもののみを「資産」と考える
    • いくらで換⾦しうるか(売却価値)によって「資産」が測定される
  • 貸借対照表
    • 換⾦価値のあるものがどれだけあるか(債務弁済能⼒)を⽰す
    • 期間利益計算を適正に⾏うために、換⾦価値のないものも「資産」として貸借対照表に記載される

動態論と損益計算書

  • 動態論
    • 企業の経営活動における収益と費⽤の把握を重視する
    • 適正な期間損益計算を⾏うことを⽬的とする
  • 損益計算書
    • 収益と費⽤の項⽬を掲載する
    • 損益計算書に計上されなかった残りの項⽬(未解消項⽬)は、貸借対照表に計上される

静態論 → 動態論 → 静態論

  • かつては債権者保護のため、貸借対照表をもって債務弁済能⼒を⽰すことが重視されていた
      ↓
  • その後、期間利益計算を⽰す損益計算書が重視さるようになった
    貸借対照表にも繰延資産や引当⾦などが記載されるようなった
      ↓
  • 昨今ではまた債権者保護を重視するようになった(静態論への回帰)

現⾦主義 → 発⽣主義 → 現⾦主義

  • かつては現⾦ベースの会計を重視していた
      ↓
  • その後、現⾦ベースでない会計へ移⾏した
      ↓
  • 現⾦ベースの会計(キャッシュフロー計算書の重視)へと回帰してきた