2023.01.11 11. 貸借対照表 貸借対照表とは 会計期間の終了時点(通常は期末)における企業の財政状態が⽰されたもの 期間利益計算を主⽬的とする現⾏の会計では、貸借対照表は企業会計原則による制約を受けている 企業会計原則における貸借対照表の定義 「貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表におけるすべての資産、負債および資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者に、これを正しく表⽰するものでなければならない」 貸借対照表等式 会社の財政状態を表す式のこと 資産 = 負債 + 資本(純資産) 資産(会社の財産)は、負債(仕⼊債務や借⾦など)と資本(資本⾦や利益など)から作り上げられることを意図している
2023.01.10 10. 財務諸表 財務諸表とは 「企業の経営活動を会計固有の⾔葉を⽤いて表現したもの」をまとめた書類 複数の書類によって構成される 会社法により作成義務がある財務諸表 ⾦融商品取引法により作成義務がある財務諸表 貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書 個別注記表 貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書 キャッシュフロー計算書 附属明細書 財務諸表の作成 会計上の「取引」に該当するものは、「複式簿記」によって記録される 複式簿記による取引の記録に基づいて、財務諸表が作成される 財務諸表を通じて、会計情報が利害関係者に伝達される 財務諸表に関する会計の流れ 取引の発⽣ ↓ 仕訳、複式簿記の適⽤ 仕訳帳への記帳 ↓ 転記 元帳への記帳 ↓ 転記 試算表の作成 ↓ 転記 決算整理、精算表の作成 ↓ 精算表の算出⾦額をもとに作成 財務諸表の作成 ↓ 貸借対照表、損益計算書、その他(キャッシュフロー計算書など) ステークホルダーへの伝達
2023.01.09 9. 取引の記録・伝達 会計における「取引」 会社の財産に増減をもたらす事象のこと 会社の財産は、資本、負債、資本で構成される(詳細は別途) 商品売買のような⾦銭をやり取りする「取引」だけでなく、その事象によって会社の財産が増減するものも「取引」に含まれる 複式簿記 会計上の取引に該当するものは「複式簿記」という⽅法によって記録される 複式簿記による記録⽅法を「仕訳」という 複式簿記では、取引を⼆⾯的に把握し、記録する(取引の⼆⾯性) 取引の⼆⾯を左側と右側とに分けて、「勘定科⽬」を使って記録する 借⽅ 貸⽅ 勘定科⽬A (例:現⾦) 10,000 勘定科⽬B (例:売上) 10,000 仕訳された(複式簿記によって記録された)勘定科⽬と取引⾦額は、会計期間の期末に整理・集計されて、最終的に「財務諸表」が作成される 財務諸表には、会社の財産状態を⽰す「貸借対照表」と会社の経営成績を⽰す「損益計算書」がある 財務諸表の構成 財務諸表は5つの概念で構成される 貸借対照表 1.資産 2.負債 3.資本(または純資産) 損益計算書 4.収益 5.費⽤ 会計⽤語による利害関係者への伝達 企業の経営活動に関する情報は、会計固有の⽤語によって表現された「財務諸表」によって、利害関係者に伝達される 企業の経営活動の良し悪しは、資産、負債、または資本の増減によって判断される
2023.01.08 8. 複式簿記 近代会計の規定 近代会計は「期間利益計算」と「発⽣主義」によって規定される 近代会計に⾄るまでに、会計の発展過程において3つのルールが誕⽣した 複式簿記 14世紀、15世紀頃のイタリアで誕⽣ 当座企業から継続企業への移⾏ 「継続企業の公準」の成⽴へとつながる 期間利益計算 16世紀、17世紀頃のネーデルランドで誕⽣ 現⾦主義から発⽣主義への移⾏ 発⽣主義 18世紀、19世紀のイギリスで誕⽣ 信⽤経済の発達 固定資産の増加 継続企業が「会計期間」をもたらし、期間利益計算が「発⽣主義」をもたらした
2023.01.07 7. 会計主体論 (2) 会計主体論の種類 会計主体論には、⼤きく4つの考え⽅がある 資本主 = 企業への出資者 (株式会社では株主) 資本主論 企業の所有者 要点 企業は資本主のもの企業の財産は「資本主の財産」 企業の借⾦は「資本主の借⾦」 企業の利益は「資本主の利益」 株主への配当は「利益の分配」 経営者への報酬、銀⾏などに⽀払う利息、従業員の給与などはすべて「費⽤」 資本主によって提供された資⾦のみが「資本」 代理⼈論 企業の所有者 要点 企業は資本主のもの 資本主の代理⼈である経営者が存在する 経営とは財産の管理⾏為 企業の利益は「資本主の利益」 株主への配当は「利益の分配」 経営者への報酬、銀⾏などに⽀払う利息、従業員の給与などはすべて「費⽤」 資本主によって提供された資⾦のみが「資本」 資本主は⾃⼰の所有する財産の管理を、経営者に委託し、これを受託した経営者は、財産の所有者本⼈に代わって財産の管理(保存と運⽤)を⾏う 委託・受託の関係、本⼈と代理⼈との関係が存在する 「株式会社」という近代的な企業形体は代理⼈論に当たる 企業主体論 企業の所有者 要点 企業は資本主のものではなく、また誰のものでもない 企業は企業それ⾃体のもの 利害関係者を企業の外側に位置づける 企業の財産はあくまでも「企業の財産」 企業の借⾦はあくまでも「企業の借⾦」 企業の利益はあくまでも「企業の利益」、そのままただちに「資本主の利益」とはならない 株主への配当、経営者への報酬、銀⾏などに⽀払う利息、従業員の給与などはすべて「費⽤」 資本主によって提供された資⾦と、債権者によって融通された資⾦はともに「資本」 資本主は債権者と同格の存在 企業体論 企業の所有者 要点 企業は種々の利書関係者のもの 利害関係者を企業の内側に位置づける 企業の財産は「種々の利害関係者の財産」 企業の借⾦は「種々の利害関係者の借⾦」 企業の利益は「種々の利害関係者の利益」 株主への配当、経営者への報酬、銀⾏などに⽀払う利息、従業員の給与などはすべて「利益の分配」 資本主によって提供された資⾦と、債権者によって融通された資⾦はともに「資本」 資本主、経営者、債権者、従業員などすべての利害関係者は同格の存在
2023.01.06 6. 会計主体論 (1) 会計上の判断 会計上の判断は「会計が経営活動を⾏う企業をどのようにて捉えるのか」によって最終的に規定される 企業の捉え⽅(企業観) ↓ 会計の⽬的を決定(会計の⽬的観) ↓ 会計上の判断を規定 企業観とは 企業実体の公準「企業は所有者と切り離されたもの(資本と経営の分離)」を前提とした企業の捉え⽅ 企業は誰のものか? 企業の利害関係者をどう⾒るか、どのように位置づけるか? 会計主体論とは 企業会計を考える上で、企業とその利害関係者との位置づけを論ずること 会計処理における最終的なよりどころ どのように認識、測定、伝達するのか? 会計はどのような(誰の)観点から⾏われるのか? 会計の⽬的とは何か? 企業の多様な利害関係者(ステークホルダー)の存在をどうみるのか? 利害関係者をどのように位置づけるのか? 会計主体論の位置づけ 企業実体の公準、企業観、会計主体論の関係は以下のようになる 企業実体の公準 資本と経営の分離 ↓ 会計主体論 企業観 (所有者は誰か) ↓ 会計の⽬的観 (認識、測定、伝達の⽬的) | |→ 会計上の判断 ↓ 会計処理
2023.01.05 5. 会計公準 会計公準 会計の基本的な前提 会計公準をもとに、会計は「認識→測定→伝達」が⾏われる 会計公準には3つの原則がある(構造的公準) 公準1.企業実体の公準 会計では、企業をその所有者とは切り離して考える 財務諸表に記載される財産は、企業そのものの財産のみであって、所有者の個⼈的な財産などは記載さない 公準2.貨幣的な測定の公準 会計における測定は、貨幣数値をもって⾏われる 様々な企業の財産を測定する共通尺度として「貨幣数値」を⽤いる 会計情報における「貨幣数値」の位置づけ 企業の情報 定性的な情報(⾮数量情報) 定量的な情報(数量情報) ⾮貨幣数値情報 貨幣数値情報 会計情報 公準3.継続企業の公準(会計期間の公準) 会計では、企業を「縦続的な存在」として捉える 現代の会計は「継続企業(終了が予定されていない企業)」を前提して⾏われている 企業の終了が予定されていないため「会計期間」を定め、その期間ごとに会計は⾏われる 会計期間は「1年」とすることが多い
2023.01.04 4. 企業の利害関係者 利害関係者(ステークホルダー) 企業には、多様なステークホルダーが存在する ステークホルダーそれぞれが、独⾃の利害関係や関⼼事を持っている 直接的ステークホルダー 株主、経営者、債権者 事業の元⼿を拠出 企業は直接的にステークホルダーに対して、会計責任(アカウンタビリティ)がある ステークホルダー 企業との利害関係 関⼼事 株主 現在の投資対象 出資による持ち分に関わる報酬(配当)の額 配当の適正性 ⾃⼰の持ち分の保全状態 株価 経営者経営活動の責任を持つ対象 ⾃⼰の責任に帰されることとなる「経営成績」 ⾃⼰が得る報酬に直結する経営成績とその向上 債権者(銀⾏など) 融資対象 貸し付けた資⾦の回収の確実性 将来における資⾦の融通の是⾮ 投資者 将来の投資対象 企業の将来における収益性 他の企業と⽐較した場合におけるその企業の将来性 従業員 ⾃⼰の労働に対して報酬を得て、⽣計を⽴てるための基盤 報酬の額 企業の負担能⼒ ⾃⼰の労働にかんがみたその適正性 消費者 ⽣活に要する財、および⽤役の供給源 財・⽤役の安定的かつ継続的な供給の維持 価格の適正性 ⾏政府当局 国家、地⽅財政に不可⽋の財源 企業の課税所得の算定 担税能⼒(担税⼒)の適正な判定
2023.01.03 3. 会計の⽬的 1.利害の調整 企業の経営活動から⽣じた利益(成果)を分配する際に、利害関係者(株主など)の持ち分を調整すること 会計は「企業の利益」の算定などを通じて、利害の調整を⾏う 利害調整機能 2.意思決定の⽀媛 有⽤な情報(会計情報)を提供することによって、企業の利害関係者の意思決定を⽀援すること 例)投資者による「投資意思決定」 例)経営者による「経営意識決定」 意思決定有⽤性機能
2023.01.02 2. 会計のプロセス 会計の流れ 会計は「① 認識 → ② 測定 → ③ 伝達」の3段階で⾏われる 取引↓ 企業の経営活動において「取引」が発⽣する ① 認識↓ 企業の経営活動の中で、資産、負債、資本の増加(または減少)をもたらす事象が会計の中に取り込まれること 「取引」という概念を⽤いて認識する 会計における「取引」= 資産、負債、資本の増加(または減少)をもたらす事象 ② 測定↓ 取引を数値化すること 会計固有の測定ルールがある ③ 伝達↓ 財務諸表の作成 貸借対照表 損益計算書 (キャッシュフロー計算書) 会計情報の伝達 会計情報は、会計の測定ルールに従ってもたらされた数値によって構成される 「誰に伝えるか」によって会計の⽬的が異なってくる 社内関係者への伝達 → 報告、社外への伝達 → 開⽰ 判断 社内の利害関係者は、会計情報をもとに経営判断を⾏う 社外の利害関係者は、会計情報をもとに投資、融資、経営⽀援などの判断を⾏う