競争優位の戦略 – いかに高業績を持続させるか
M.E.ポーター (著), 土岐 坤 (翻訳)
ダイヤモンド社 1985.12.01 659ページ
競争優位の戦略 – いかに高業績を持続させるか
M.E.ポーター (著), 土岐 坤 (翻訳)
ダイヤモンド社 1985.12.01 659ページ
イノベーションの源泉 – 真のイノベーターはだれか
エリック・フォン ヒッペル (著), 榊原 清則 (翻訳)
ダイヤモンド社 1991.11.01 240ページ
破壊的技術に直面した企業は「新技術」と「組織の改革のために必要となる能力」に加え、次のような「自社の属するバリュー・ネットワークにイノベーションがもたらす影響」を検証しなければならない。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
破壊的技術による製品を開発することが技術的に可能であったとしても、その技術によって市場で強力な地位を築くために資源や経営努力をつぎ込むかどうかは、その企業が属するバリュー・ネットワークの中で、初期にその製品が評価され、採用されるかどうかにかかっている。
バリュー・ネットワークは、そこに属する企業にとって何が可能で何が不可能かを定める。「バリュー・ネットワークの視点から見た技術革新の性質と優良企業が直面する問題」は次の5つに集約される。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
ほとんどの場合、市場規模が小さく顧客の需要もはっきりしない「破壊的技術」よりも、企業にとって最も有力な顧客の需要に応える「持続的技術」の方が優先される。その理由を確認するために、ディスク・ドライブ業界において「開発・商品化の意思決定プロセスに影響を与えた要因」を調べたところ、6つの要因が明らかとなった。
優良企業は主要な利益を生み出す顧客の声に耳を傾ける。その結果、優良企業は持続的イノベーションに向かい、破壊的イノベーションのリーダーシップを失うことがある。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
バリュー・ネットワークとは、入れ子構造になった商業システムのことである。企業は、あるバリュー・ネットワークの中で経験を積むと、そのネットワークの主要な需要に合わせて能力、組織構造、企業文化を形成することが多い。
企業はバリュー・ネットワークにおいて顧客のニーズを認識し、対応し、問題を解決し、資源を調達し、競争相手に対抗し、利潤を追求する。バリュー・ネットワークの中では、各企業の競争戦略、とりわけ過去の市場の選択によって、新技術の経済的価値をどう認識するかが決まる。各企業が「持続的イノベーション」や「破壊的イノベーション」を追求することによってどのような利益を期待するかは、この認識によって異なる。
優良企業は期待する利益のために、資源を持続的イノベーションに投下し、破壊的イノベーションには与えない。このような資源配分が、持続的イノベーションでは常にリーダーシップをとり続けた優良企業が、破壊的イノベーションでは敗者となった要因である。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
優良企業が技術革新に直面するとなぜ失敗するのか? それは、技術革新に対するマネジメントや組織的・企業文化的な対応、優良企業の新技術を扱う能力に問題があるからだろう。クリステンセン教授は「新技術に対応するには、優良企業が培ってきたノウハウとは全く別のノウハウが必要になる」と指摘する。
優良企業が失敗する理由は大きく2つ考えられる。
一般的に企業は「これまで築いてきた能力」が技術革新によって破壊されるときに失敗し、高められるときに成功する。製品を進化させるような技術改良においては、その業界で実績を築いてきた優良企業は有利である。他方、全く異なる知識体系を必要とする技術改良においては、すでに他の業界などで別の知識体系を蓄積してきた企業に比べると、優良企業は不利である。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社
超マシン誕生 新訳・新装版
トレイシー・キダー (著), 糸川洋 (翻訳)
日経BP 2010.07.02 384ページ