1. 会計とは

会計とは

  • 受託者(経営者)がその受託者(株主)に対して行う説明。
  • 財産の管理という行為の受託者が自分の行った財産の管理の顛末を、その委託者に対して説明すること。
  • 財産の管理においては、委託・受託の関係が存在する。資本と経営との分離経営者は、委託・受託の関係、すなわち資本と経営との分離状態を維持するためには、株主を納得させなければならない。

会計の目的

  • 委託・受託の関係を納得させること。
  • 資本と経営との分離という状態を納得させること。

監査とは

  • 会計(説明)が適切なものかどうかを検査し、会計が適切に行われるように監督すること。
  • 「監査人」が監査を行う。

監査の意義

  • 独立性(経営から独立した立場からの監督)
  • 専門性(会計の専門家によるチェック)
  • 公認会計士(会計プロフェッション)による監査

135. 税務調整

企業会計と税法の差

  • 以下のような処理が行われとき、企業会計と税法とに差が生じる。
    1. 益金不算入
      • 企業会計では収益としているものを、税法では益金の額に算入しないこと
      • 受取配当金
      • 還付金
    2. 損金不算入
      • 企業会計では費用としているものを、税法では損金の額に算入しないこと
      • 税法の限度額を超える減価償却費
      • 貸倒引当金の繰り入れ
      • 寄附金
      • 交際費
    3. 益金算入
      • 企業会計では収益としていないものを、税法では益金の額に算入すること
      • 法人税額から控除する外国子会社の外国税額
      • 組織変更にともなう評価替え等による資産の評価益
    4. 損金算入
      • 企業会計では費用としていないものを税法では損金の額に算入すること
      • 減価償却超過額の当期認容額
      • 過年度に損金不算入となった減価償去|費で、当年度は税法で認められるもの
      • 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額

税務調整

  • 企業会計と税法とが異なるなか、当期利益から所得金額を計算するまでのプロセスのこと
  • 所得の金額の計算に関する明細書「別表四」において行われる。
    摘要 金額
    当期利益
    加算 益金参入
    損金不参入
    (小計)
    減算 損金参入
    益金不参入
    (小計)
    所得金額 ① + ② + ③
  • 当期利益に、税務調整項目の額を加算・減算するという形で、課税標準たる所得金額を計算する。
    • 当期利益 + 益金参入 + 損金不算入 ー 損金算入 ー 益金不算入 = 所得金額
      ←ーーー 当期利益 ーーー→
      損金不算入
      益金参入
        損金算入
      益金不算入
      ←ーーー 所得金額 ーーー→
  • 税法会計は、所得金額をもとめ、それにもとづいて税額を計算するための会計である。

税法会計論

  • 以下のような議論を通じて、課税の理諭的背景や経済政策的側面を研究する。
    • 受取配当金を、企業会計では収益とするのに、税法では益金としないのはなぜか?
    • 寄附金の全額を損金としえないのはなぜか?
    • 減価償却における残存価額はどの程度にするか?

134. 税法と企業会計

所得の計算

  • 所得金額
    • 法人税法によれば、法人の各事業年度の所得金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した額である。
    • 益金の額 - 損金の額 = 所得金額

益金の意義

  • 益金の額
    • 以下の額を算入する。
      • 商品・製品などの販売による収益
      • 固定資産や有価証券などの売却による収益
      • 請け負いほかの役務の提供による収益
      • 預金・貸付金などの利息ほかの収益
    • 資本等取引から生ずるものは除かれる。
      • 法人税法における資本等取引
      • 資本金の増加・減少に関する取引
      • 資本準備金の増加・減少に関する取引
      • 利益・剰余金の分配に関する取引
  • 各事業年度の収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算することになっている。
    • 法人の取引によって生ずる収益であっても例外はあり、その場合、その定めに従うことになる。
      • 特別に益金の額に算入しない旨の規定があるもの。
      • 企業会計では収益としないものであっても特別に益金の額に算入する旨の規定があるもの。

損金の意義

  • 損金の額
    • 以下の額を算入する。
      • その事業年度に販売した商品・製品などの売上原価
      • 完成工事原価
      • その事業年皮の販売費および一般管理費ほかの費用
      • 損失額
    • 償却費以外の費用で、事業年度末までに債務の確定していないものは除かれる。
    • 損失のうち、資本等取引から生ずるものも除かれる。
  • 原則として、企業会計における費用・損失の額を、損金に算入する。
    • 法人の取引による費用、企業会計では費用であっても例外があり、その場合、その定めに従うことになる。
      • 特別に損金の額に算入しない旨の規定があるもの

企業会計の利益と税法の所得

  • 企業会計において、「決算の結果として計上される当期利益」と「税法における所得金額」とは、原則として計算方法は同じである。
    • 売上高などの収益の額から、売上原価、販売費および一般管理費、その他の費用、損失の額を差し引いて計算する。
  • 企業会計 → 企業の経営成績および財政状態を明らかにする目的がある。
    • 税法 → 課税の公平、財政収入の確保、政策などのための特別な規定などがある。
        ↓
      「企業会計の当期利益の計算」と「税法の所得金額の計算」に差が生ずる。
    • 企業会計で収益・費用としているものの一部 → 税法では益金の額・損金の額に算入されない。
    • 企業会計では収益・費用としないものの一部 → 税法では益金の額・損金の額に算入される。

133. 確定決算主義

確定決算主義

  • 決算と税務調整
    • 会社は毎期、決算を行って当期利益(または当期損失)を計算し、株主総会の承認を受ける。
        ↓
      決算の内容は、外部との取引の事実にもとづく記録によるものだけでなく、減価償却費や各種の引当金の計上など、会社内部の計算によるものもある。
        ↓
      会計処理では、同様の取引に対しても、いくつかの処理方法が認められ、会社にその選択が委されているものもある。
        ↓
      そのようななか、決算は株主総会で承認を受けることによって確定する。
        ↓
      確定した当期利益に基づいて税務調整を行う。
  • 確定決算主義
    • 税法においては、確定した決算の当期利益を基礎として税務調整を行い、所得金額を計算する。

確定決算主義と逆基準性の問題

  • 日本での課税所得の算出
    • 課税所得の算定には2通りの方法がある。
      1. 会計における利益計算と課税所得の算定は、それぞれ別個に行う
      2. 会計において計算された利益(確定した決算における利益)にもとづいて、課税所得を算定する
    • 日本においては、②の「確定決算主義」が採用されている。
      • 会計上の利益を基準として課税所得を算定する。
  • 課税所得算出における逆基準性の問題
    • 日本では実際に、課税所得を基準として、会計における利益計算が行われてしまっている。
    • 財務諸表の作成では、減価償却において定額法、定率法などが認められているなど、同様の取引について複数の処理方法が認められている場合がある。
        ↓
      各企業の固有の環境において、企業の情況を最も適切に示す数値をもたらす処理方法が用いられるべきである。
        ↓
      企業の情況を最も適切に示す利益額をもたらす処理方法が用いられるべきである。
        ↓
      実際には、課税所得(税額)が最も少なくなるような処理方法が用いられている。
        ↓
      企業の情況を最も適切に示す利益額はもたらされなくなってしまっている。
  • 確定決算主義におけるジレンマ
    • 確定決算主義において、企業の経営者はジレンマに陥るはずである。
      • 自己の責任に帰される「経営成績をあらわす利益額」は、可能な限り大きくしたい。
      • 確定した利益から算出される課税所得額(税額)は、可能な限り小さくしたい。
    • アメリカなどの経営者とは異なり、日本の経営者は必ずしも「利益が少なければ首になる」とはならない。
      • ジレンマには陥ることなく、「課税所得額(税額)をできる限り小さくしたい」と考えてしまう。

132. 税法会計

税法会計の特色

  • 税法会計
    • 税法会計の目的は、会社法会計と金融商品収引法会計とは異なる。
    • 会社法会計や金融商品取引法会計 → 利害関係者に対する企業内容の開示が前提の会計
    • 税法会計 → 税額を計算するための会計
  • 法人税
    • 日本の税収のうち、個人所得税とともに大きな割合を占めるのは、法人企業から徴収されるものである。
    • 法人企業に課される税は「国税」と「地方税」に大別される。
    • 法人企業が営業活動において得た「利益」に直接関連づけられ、その額が計算されるのは国税たる「法人税」である。
    • 法人税の額は法人税法をもとにして計算されている。
    • 税法会計は「法人税法会計」と呼んでもよい。

税法会計と企業会計基準の関係、および逆基準性の問題

  • 法人税法における課税所得の計算
    • 益金・損金の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。
      • 課税所得 → 利益
      • 益金 → 収益
      • 損金 → 費用
    • 一般に公正妥当と認められる会計処理の基準 = 企業会計基準
  • 税法会計にとって、企業会計基準は「よりどころ」であるが、逆に、税法会計が企業会計の「よりどころ」であるような場合がある。
    • 滅価償却費は、税法に従って算定された額によって損益計算書に計上されていなければ損金として認められないため、税法に従った処理が行われる。
    • 企業会計上は必要な費用であっても、損金として認められないために計上しないといったことがある。
  • 逆基準性の問題
    • 税法会計のよりどころとなるべき(企業会計基準に従って行われるべき)企業会計が、逆に税法会計に制約されている。

131. 国際会計基準の国内基準化

日本においては国際会計基準への準拠

  • 1990年代後半から2000年代前半に証券取引法の規制対象の上場会社に適用される会計基準の大幅な改正が行われた。
  • 国際会計基準に準拠する国内基準の改変は俗に「会計ビッグパン」とも呼ばれる。

制度改革の背景

  • 日本企業の国際化や多角化がすすみ、多国籍企業として成長した。
  • 国際的に日本の会計基準の不備が指摘されつづけてきた。
  • 国際的な資金調達需要の増大によって外国人の投資者が増加した。
  • 証券市場がボーダーレス化した。
  • 「会計基準のコンバージェンス(会計基準の統一)」が求められてきた。

会計基準の国際比較

会計基準 項目 日本基準 国際会計基準(IAS/IFRS) 米国基準
金融商品 有価証券の評価分類によリ、時価ないし償却原価法(債券) 分類により、時価ないし償却原価法(債券) 分類により、時価ないし償却原価法(債券) 分類により、時価ないし償却原価法(債券)
貸倒見積高の算定/減損の測定 割引将来キャッシュフロー 割引将来キャッシュフロー 割引将来キャッシュフロー
金融資産の消滅 法的保全の要件あリ(財務構成要素アプローチ) 法的保全の要件なし(主としてリスク・経済価値アプローチ) 法的保全の要件あリ(財務構成要素アプローチ)
デリバティブの評価 時価 時価 時価
ヘッジ会計 ヘッジ会計の要件を満たす場合 ヘッジ会計の要件を満たす場合 ヘッジ会計の要件を満たす場合
企業結合 基本的方法 パーチェス法 パーチェス法 パーチェス法
持分プーリング 法厳格な要件を満たした場合のみ例外的適用 パーチェス法のみ パーチェス法のみ
のれん 厳格に償却及び滅損 非償却、減損のみ 非償却、減損のみ
資産の減損 グルーピング 概ね独立したキャッシュフローを生み出す最小の単位 概ね独立したキャッシュフローを生み出す最小の単位 概ね独立したキャッシュフローを生み出す最小の単位
減損の兆候 評価する 評価する 評価する
認識テスト 割引前将来キャッシュフロー 回収可能頡(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方) 割引前将来キャッシュフロー
測定回収可能額(正味売却可能額と使用価値のいずれか高い方) 回収可能額(正味売却可能額と使用価値のいずれか高い方) 公正価値
減損損失の戻入れ 戻入れなし 戻入れあリ(のれんを除く) 戻入れなし
退職給付 負債の計上 退職給付債務に未認識の過去勤務債務及び数理計算上の差異を加減し、年金資産を控除した額 退職給付債務に未認識の過去勤務債務及び数理計算上の差異を加減し、年金資産を控除した額 退職給付債務に未認識の過去勤務債務及び数理計算上の差異を加減し、年金資産を控除した額
数理計算上の差異 厳格に全領償却対象 回廊超過分を償却 回廊超過分を償却
最小負債の計上 なし

なし

未積立累積給付債務を計上
税効果 基本的方法 資産負債法 資産負債法 資産負債法
繰延税金資産の計上 回収可能性/実現可能性による 回収可能性/実現可能性による 回収可能性/実現可能性による
リース ファイナンスリースの処理 資産または費用 資産 資産
研究開発費 開発費の処理 費用 資産 費用
連結財務諸表 子会社の範囲 支配力基準 支配力基準 持株基準
投資不動産 測定 原価 公正価値ないし原価 一般的に原価

130. 金融商品取引法と会計

金融商品取引法の会計規制の基本理念

  • 証券取引法
    • 1948年に制定
    • 「国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有価証券の発行及ひ売買その他の取引を公正ならしめ、且つ、有価証券の流通を円滑ならしめること」を目的としていた。
    • 基本理念は「投資者の保護」
    • 一般投資者に対して、有価証券の取引において必要な適正な情報が公平かつ適時に提供されるようにすることを主眼としていた。
  • 金融商品取引法
    • 証券取引法が2006年6月に改正・改称されたもの。
    • 適用対象は広く金融商品を含む有例証券全般となった。
    • 基本理念は変わることはなく、主要な目的は投資者保護
    • 投資者の意思決定に必要な情報の提供が重視される。

金融商品取引法会計と企業会計基準

  • 金融商品取引法
    • 「この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書、その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従って内閣府令で定める用語、様式及び作成方法によりこれを作成しなければならない」と規定している。
    • 内閣府令は、財務諸表等規則(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則)のことであり、企業会計基準を範として制定されたものである。
    • 財務諸表等規則に定められない事項については「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする」している。
  • 金融商品取引法会計にとって企業会計基準は、全面的な拠り所になっている。

129. 会社法と会計

商法と証券取引法

  • 商法
    • 2006年5月施行の「会社法」の前身
    • 1899年に制定され、数々の改正を経た。
    • 模範とした1897年のドイツ商法は、決算期末において会社がどれだけの資産・負債を有しているかを重視する財産法的思想のもとに立法されていた。
        ↓
      商法は、期末における純資産額の把握を主たる目的とした。
        ↓
      貸借対照表を重視することになった。
  • 商法会計
    • 債権者保護を目的とする「資本維持の原則」を掲げた。
    • 「株主への配当可能利益の額を把握し、確定すること」を目的としていた。
    • 利害調整機能を重視した。
  • 証券取引法
    • 2006年6月施行の「金融商品取引法」の前身
    • どちらかといえば損益計算書を重視していた。
  • 証券取引法会計
    • 投資家保護の立法趣旨のもと、一定期間における利益計算を中心に理論構成されていた。
    • 「投資者の意思決定に有用な情報を提供すること」が重視された。
    • 一般には「商法会計とは和対立する会計制度」として説明されていた。

会社法会計と金融商品取引法会計

  • 2006年5月に施行された「会社法」と「会社計算規則」で行われる「会社法会計」と、2006年6月に成立した「金融商品取引法」で行われる「金融商品取引法会計」は、相対立する会計制度ではない。
      ↓
    会計情報の利用者志向性が高い国際標準に限りなく近い会計
      ↓
    「意思決定有用性アプローチの会計」とも称される会計
  • 「会社法会計」と「金融商品取引法会計」との両者が行われる「株式会社」では、ほぼ同様の2つの会計制度によって規制されている。
  • 「会社法」は適用されるが、「金融商品収引法」は適用されない中小会社の場合には、会計の利害調整機能は依然として重要である。

会社法会計と企業会計基準

  • 会社法
    • 「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」
  • 会社計算規則
    • 「この省令の用語の解釈、及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準、その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならない」
  • 企業会計基準
    • 企業会計原則をはじめとする成文化された企業会計において採用されるべき会計処理の方法および手続き
    • 企業会計基準のみならず、日本公認会計士協会が公表した実務指針等も含まれる。
  • 会計慣行
    • 企業会計基準のもとで行われる会計慣行
    • 諸外国における、より精緻(せいち)な企業会計の基準のもとで行われる会計慣行も含まれると解釈しうる。
    • 会社法のもとで行われる会社法会計にあっても、企業会計基準は、よりどころとして機能している。

128. 企業会計基準

企業会計基準

  • 1949年、経済安定本部から公表された「企業会計原則」
  • 1954年、大蔵省企業会計審議会から公表された企業会計原則注解
  • 企業活動の多様化とともに種々の会計基準や意見書等が公表され続けている。

企業会計原則

  • 企業会計原則
    • 1949年7月9日
    • 1954年7月14日
    • 1963年1月15日
    • 1974年8月30日
    • 最終改正1982年4月20日
  • 企業会計原則注解
    • 1954年7月14日
    • 1963年1月15日
    • 1974年8月30日
    • 最終改正1982年4月30日

その他の企業会計基準

  • 連結財務諸表原則
    • 1975年6月24日
    • 最終改正1997年6月6日
  • 連結財務諸表原則注解
    • 1975年6月24日
    • 最終改正1997年6月6日
  • 外貨建取引等会計処理基準
    • 1975年6月26日
    • 最終改正1999年10月22日
  • セグメント情報の開示基準
    • 1988年5月26日
  • リース取引に係る会計基準
    • 1993年6月17日
  • 中間連結財務諸表等の作成基準
    • 1998年3月13日
  • 連結キャッシュフロー計算書等の作成基準
    • 1998年3月13日
  • 研究開発費等に係る会計基準
    • 1998年3月30日
  • 退職給付に係る会計基準
    • 1998年6月16日
    • 最終改正2005年3月16日
  • 税効果会計に係る会計基準
    • 1998年10月30日
  • 金融商品に関する会計基準
    • 1999年1月22日
    • 最終改正2006年8月11日
  • 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準
    • 2002年2月21日
    • 2005年12月27日
    • 最終改正2006年8月11日
  • 固定資産の滅損に係る会計基準
    • 2002年8月9日
  • 1株当たり当期純利益に関する会計基準
    • 2002年9月25日
    • 最終改正2006年1月31日
  • 企業結合に係る会計基準
    • 2003年10月31日
  • 役員賞与に関する会計基準
    • 2005年11月29日
  • 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準
    • 2005年12月9日
  • 株主資本等変動計算書に関する会計基準
    • 2005年12月27日
  • 事業分離等に関する会計基準
    • 2005年12月27日
  • ストック・オプション等に関する会計基準
    • 2005年12月27日
  • 棚卸資産の評価に関する会計基準
    • 2006年7月5日

127. 日本の会計制度 (2)

日本の会計がややこしくなった理由

  • 会計が複数の法によって規制されていただけでなく、三法は起源や理念、目的が異なり、それぞれが会計に対して異なった要求を持っていた。
    1. 商法
      • 理念・目的は「債権者保護」
      • ドイツの商法に由来する。
      • 更にさかのぼれば、フランスはルイ14世の時代、1673年の商事王令に行き着く。
      • 資本と経営との分離が一般化をみない当時は、法が保護するのは「債権者」のみであった。
      • 大陸法の系統に属する。
    2. 証券取引法
      • 理念・目的は「投資者保護」
      • アメリカよりもたらされた。
      • 英米法の系統に属する。
  • 大陸法と英米法は、法のあり方が根本的に異なる。
    1. フランス、ドイツの法に代表される「大陸法」
      • 詳細、厳密な規定によって、一定レベルの秩序は維持される。
      • 画一的、硬直的であるため、多様性や変化に的確に対応しきれない点に問題がある。
      • ローリスク・ローリターン型の法
      • <商法の考え方>
        債権者保護を旨とする。
          ↓
        債務弁済のための資金が多い方がよい。
          ↓
        資金の流出を意味する配当は少ない方がよい。
          ↓
        配当の源泉となる利益は少ない方がよい。
          ↓
        費用は多い方がよい。
          ↓
        費用を減らす、担保価値を持たない繰延資産は少ない方がよい。
          ↓
        費用を増やす引当金は多い方がよい。
    2. イギリスの法に代表される「英米法」
      • 厳密な規定は持つことなく、個々の情況における判断に事を委ねる。
      • 適切な判断が行われる場合は、弾力的で的確な対応がもたらされる。
      • 適切な判断が行われない場合は、一定レベルの秩序すら維持されない。
      • ハイリスク・ハイリターン型の法
      • <証券取引法の考え方>
        税収の確保を旨とする。
          ↓
        税金を多く徴収したい。
          ↓
        法人税法では、利益(課税所得)は多い方がよい。
          ↓
        費用は少ない方がよい。
          ↓
        費用を減らす繰延資産は多い方がよい。
          ↓
        費用を増やす引当金は少ない方がよい。