- 経営幹部は配慮を要するさまざまな事業や実行計画に、時間や精力をどのように配分するべきか。
- 持続的イノベーションを監督するにあたっては、破壊的状況下でのマネジメントとはどういった点で異なる手法を用いるべきか。
- 新成長事業の創出は、本質的に特殊で行き当たりばったりの取り組みなのか、それとも破壊的成長の波を繰り返し生み出す、反復可能なプロセスを構築することは可能なのか。
企業が破壊的成長の新しい波を次々と生み出すために、経営幹部は次の3つの責務を果たさなければならない。
- 短期的急課題
破壊的成長事業と主流事業のインターフェースを直接監督し、企業の資源とプロセスのうち、どれを新事業に適用すべきか、すべきでないかを判断・決定する。 - 長期的な責任「破壊的成長エンジン」
利益ある成長事業を繰り返し巧みに立ち上げるための反復可能なプロセスを作り出す。 - 永久的な責任
状況の変化を察知し、変化の徴候を見分ける方法を従業員に伝授する。
どのような戦略も状況次第で効果が変わるため、経営幹部は常に目を配り、競争基盤が変化する徴候(市場のローエンドにあるか、無消費の中にあることが多い)を察知し、変化しつつある状況に、対抗すべき脅威としてではなく成長機会として対処できるよう、適切なプロジェクトや買収を開始しなくてはならない。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社