[ 第2章のテーマ ]
- 企業が自社の推進するイノベーションの可能性を十分に実現し、業界を根底から変化させるのは、どのようなときだろうか?
- 企業の強みを評価し、弱みを見つけるには、どうすればよいのか?
- こうした強みや弱みのうち、競争のバトルに影響を及ぼすのはどれだろうか?
- 既存企業が有利な状況と、新規参入企業が有利な状況を分けるのは何だろうか?
- 破壊的イノベーションのプロセスの原動力とは何だろうか?
イノベーションの理論を用いて業界の変化を分析する方法の第二段階は、競争に関する十分な情報を得た上で決定を下すことである。競合企業の経営状況を把握し、剣と盾をもった企業を探すことによって、「業界の競合企業間の直接対決では、どちらが勝ちそうか?」という競争のバトルの質問に答えることができる。競争のバトルに関して把握すべきことをまとめると図2-1となる。
図2-1. 競争のバトル
新規企業が市場に足がかりを築くと、製品・サービスの性能を上げ、より多くの顧客を獲得し、市場の高収益層に進出するという強いインセンティプが与えられる。その結果、新規企業と既存企業の間で必然的に戦いが始まる。企業が製品・サービスを改良するのは、性能の高い製品・サービスに割高な価格を喜んで支払おうとする顧客層を獲得したいからである。
<参考文献>
クレイトン・M・クリステンセン (著), スコット・D・アンソニー (著), エリック・A・ロス (著) (2014)『イノベーションの最終解』翔泳社