クリステンセン教授は、2つの問題に頭をひねっていた。
[問題1]
歴史上、最も成功した優良企業でさえ、リーダーの座を追われている。成功を持続させるのは、なぜこれほど難しいのだろう?[問題2]
存在意義を持ち、成功し、やがては業界の現リーダーを打ち倒すような会社を興すには、どうすれば良いのだろうか?
[問題1] については、『イノベーションのジレンマ』にて次のような見解を示している。
- 失敗を引き起こすのは、誤った経営判断だけではない。
- 企業が成功するために不可欠な特定の慣行(例:最良顧客のニーズを満たすこと、収益性から見て最も魅力的な分野に集中投資すること)も失敗の原因となり得る。
[問題2] は、イノベーションのジレンマに潜む機会に関わるものである。『イノベーションの解』にて次のような検討を行い、その結果をまとめている。
- 企業がつまずく理由を実際に予測できるなら、経営者がそのような失敗の原因を回避して、利益ある成長を狙い通り導く意識決定を下す手助けができないだろうか?
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社