114. 債権回転率と資産回転率

売上債権回転率

  • 商製品の販売やサービスの提供によって得られた売上債権の回収状況を示す指標。
  • 企業の資金効率を示すもの。
  • 分母の売上債権(売上代金の未収額)には、受取手形、売掛金、裏書譲渡手形、割引手形残高が含まれる。
  • 売上債権に割引手形残高を含めない場合があるものの、売上債権に占める割引手形残高の割合が大きいことが多いため、これを含めるのが一般的である。
売上債権回転率 = 売上高 / 売上債権 (回)

売上債権回転期間

  • 売上債権をすべて回収するまでに必要とされる平均的な日数を示すもの。
  • 売上債権回転率を365日で除することによって算出することができる。
  • この期間が長い場合は、問題のある取引先を抱えていることなどを示しているため注意を要する。
売上債権回転期間 = ( 売上高 / 売上債権 ) / 365 (日)

棚却資産回転率

  • 売上高に対する商品、製品、消耗品等の棚卸資産の割合を示す指標。
  • 棚卸資産が売上債権ど同様に重要な資産であることから、この指標から販売戦略や在庫戦略の良否を判断することができる。
  • 数値が低く在庫が多ければ.過大な在庫や不良在庫を抱えていることで資金効率が悪くなっている。
棚卸資産回転率 = 売上高 / 棚卸資産 (回)

棚卸資産回転期間

  • 棚卸資産のすべてが回収されるまでに必要とされる平均的な日数を示すもの。
  • 棚却資産回転率を365日で除することによって算出することができる。
  • 何か月分の在庫があるのかが明らかになる。
棚卸資産回転期間 = ( 売上高 / 棚卸資産 ) / 365 (日)

有形国定資産回転率

  • 売上高に対する有形同定資産の割合
  • 有形固定資産の運用効率
  • 設備の新旧. 操業度、稼働率等の設備効率を把慢することができる。
  • 製造業では有形固定資産の重要性が高いため、この指標は重要である。
  • 数値が低い場合は.基本的には合理的な設備投資計画を進めたり、遊休設備の有無を検討したりする必要がある。
  • 新製品の生産設備への資金投下がなされた場合などには、一時的に数値が低くなることがある。
  • 短期的に数値が低下したからといって、安易に合理化政策を模索すべきではない。
  • 長期的な企業戦略を考慮しながら、この回転率を判断しなければならない。
有形固定資産回転率 = 売上高 / 有形固定資産 (回)