[ 第9章のテーマ ]
- 事業を育成するための資金をどこから調達するのかは、重大な問題か。
- 資金提供者の期待は、意思決定の自由度をどのように制限するのか。
- 破壊的事業を育成する上で、ベンチャー投資資金が企業資金よりも優れている点はあるか。
- 投下資金に伴う期待に応えて、マネージャーが成功につながる決定を正しく下させるようになるには、経営者は何をすればよいか。
企業経営者が新成長事業にどのような種類の資金を提供し、事業のマネージャーがどのような種類の資本を受け入れるかということは、新成長事業立ち上げの初期段階における重要な選択である。
どのようなタイプの資金をいくら受け入れるかによって、資金提供者のどのような期待を満足させなければならないかが決まる。そしてこの期待が、新事業がどのような種類の市場やチャネルを標的とすることができる、またはできないかに、大きな影響を与える。
潜在的に破壊的なアイデアの多くが、資金を確保するプロセスによって、大規模で明白な市場を標的とする持続的イノベーションの形に無理矢理されてしまう。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社