23. 市場の発展

市場での自由競争に勝つための動き

  • 企業は大量生産によって商品のコストを下げようとする(規模の経済)
  • 企業の規模は次第に大きくなる(生産の集積)
  • 競争力のない企業が市場から消える(生産の集中)
  • 市場には少数の大企業だけが生き残る(寡占・独占)

規模の経済

  • 生産量の増大につれて、平均費用(コスト)が減少した結果、利益率が高まる傾向のこと
  • 規模の経済性が働く産業
    • 他の企業に先駆けて市場に参入し、いち早く生産量を拡大した企業が、競争力を強め、市場において有利な地位を確立する
  • 日本の主要輸出製品(自動車や半導体など)
    • 規格化しやすく、大量生産に適した製品
    • 生産量の拡大に伴い、生産技術の向上などの習熟効果が強い
    • 研究開発費などの初期投資が巨額である
    • 量産によるコスト低下の効果が著しい

寡占市場

  • 寡占:市場に少数の大企業しかいない状態
    独占:市場が1杜で支配されている状態
  • 寡占市場の特徴
    • 技術革新でコストが下がったり、需要が減少したりしても、価格が下がりづらい(価格の下方硬直性)
    • 市場シェアが最も高い企業が「プライス・リーダー」となって価格を設定すると、他の企業もそれに続いて同じ価格を設定する(管理価格)
    • 宣伝などによって購買欲を刺激されて、商品を買う傾向が強くなる(依存効果)
    • 宣伝費が巨額にふくらみ、それが価格に転嫁される
    • デザイン、ブランド、宣伝、アフターサービスなどによる「非価格競争」が行われる

独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

  • 自由で公正な競争を確保するための日本の法律
  • 公正取引委員会(独立した行政委員会)が取り締まる
  • 自由競争の確保のために、カルテル、談合、ダンピング、再販売価格維持制度などを禁止
    • カルテル
      • 企業・事業者が独占目的で行う、価格・生産計画・販売地域等の協定
    • 談合
      • 公共工事などの入札の際に、入札価格や業者間の利益配分、落札業者を事前に話し合って決めること
    • ダンピング
      • シェアの拡大や競争に勝つために、商品の販売価格を適正な価格より不当に安くすること
    • 再販売価格維持制度
      • 品質低下を避けるために、メーカーが卸売価格や小売価格を指示して、問屋や小売庖に商品を流す制度
      • 書籍・CD・新聞・医薬品や化粧品など一部の商品について独占禁止法を適用しない