2001年3月 – 量的緩和政策
- 日銀が2001年3月19日に導入した金融政策(2006年3月9日に解除)
- 目標を「金利」ではなく「お金の量(日銀当座預金残高)」に置き、民間金融機関に必要以上の資金を供給
- 実施方法
- 日銀が民間金融機関から国債や手形を買い取る
↓
民間金融機関の持っている日本銀行当座預金の残高が増加
↓
民間金融機関に余剰資金が増加
↓
金融機関からいつでもお金が借りられるようになる
↓
金利がゼロ%へ
- 日銀が民間金融機関から国債や手形を買い取る
2008年12月 – ゼ口金利政策
- 2008年12月の世界金融危機と米国のゼロ金利導入を機に、同年12月19日に日銀が「無担保コール翌日物金利の誘導目標(政策目標金利)」を0.1 %に設定することを決定
- 実施方法
- 日銀は量的緩和政策を解除して、政策の目標を「金利」に戻す
↓
しかし景気回復を下支えして、デフレ脱却を達成する仕組みは残したい
↓
翌日物金利を引き続きゼ口%に維持
↓
長期金利が低くなり、民間金融機関からお金が借りやすい状態へ
↓
同時に、日銀は市場への資金供給量を徐々に減らしていく
↓
いつでも「利上げ(翌日物金利のアップ)」ができる状態へ
- 日銀は量的緩和政策を解除して、政策の目標を「金利」に戻す
2013年4月 – 量的・質的金融緩和
- 2013年4月4日に導入が決定された、日銀の金融緩和政策
- デフレ脱却を目的とするアベノミクスが掲げる「3本の矢」のうちの1本
- 金融市場調節の操作目標を「マネタリーベース」とする異次元緩和(量・質ともに次元の違う金融緩和)
- 量的金融緩和:インフレ目標を達成するまで無制限にマネタリーベースを増やす
- 質的金融緩和:多様な種類の金融資産を買い増やす
- マネタリーベース(資金供給量) =?流通現金(日本銀行券発行高 & 貨幣流通高) + 日銀当座預金
- 実施方法
- 日銀が国債や上場投資信託(ETF)などの金融資産をこれまで以上に買い入れる
↓
マネタリーベース(市場への資金供給量)を2年間で2倍に増やす
↓
市中の通貨供給量が増え、お金の価値が下がる
↓
金融機関からお金が借りやすくなり、投資が誘発されて景気が良くなる
↓
物価が上がり始める
↓
2%の物価上昇率(インフレ)目標の達成を目指す(インフレ・ターゲティング)
↓
インフレ率を見ながら日銀は金融政策を実施、本格的なデフレ脱却へ
- 日銀が国債や上場投資信託(ETF)などの金融資産をこれまで以上に買い入れる
2016年1月 – マイナス金利付き量的・質的金融緩和
- 2016年1月29日に導入が決定された、2%のインフレ目標をできるだけ早期に実現するための金融政策
- 「量的緩和」「質的緩和」「マイナス金利」の3つの面で金融緩和を進め、デフレ脱却を目指す
- 主な実施内容
- 量的緩和
- マネタリーベースが年間約80兆円ペースになるまで金融市場調節を行う
- 質的緩和
- 長期国債の保有残高が年間約80兆円ペース、保有残高がETFは年間約6兆円、CPは約2.2兆円、社債などは約3.2兆円になるまで買入れを行う
- マイナス金利
- 金融機関が日本銀行当座預金に預ける余剰資金の金利をマイナスにする(-0.1%を適用)
- 2%の物価安定の目標を実現するまで、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を継続する
- 量的緩和
2016年9月 – 長短金利操作付き量的・質的金融緩和
- 2016年9月21日に導入が決定された、新たな金融政策の枠組み
- これまでの金融政策を総括的に検証し、長短金利操作のための新型オペレーションを導入
- 主な実施内容
- オーバーシュート型コミットメント
- 消費者物価上昇率の実績値が「インフレ目標2%」を安定的に超えるまで、マネタリーベース拡大を継続
- イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)
- 短期金利のマイナス金利政策に加え、10年物国債の金利がゼロ%程度で推移するように買入れを行うことで、短期から長期までの金利全体の動きをコントロール
- 短期金利:日本銀行当座預金の「政策金利残高」にマイナス金利を適用
- 長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債を買入れ
- イールドカーブ・コントロールの推進策
- 日銀が指定する利回りで国債を買入れ(指値オペレーション、指値オペ)
- 固定金利の資金供給オペレーションの期間を1年から10年に延長
- オーバーシュート型コミットメント