発⽣主義の成⽴をもたらした要因
- ①「固定資産」という概念の出現
- ②「在庫」という概念の出現
- ③ 信⽤経済の発達
① 固定資産の出現
- 当座企業から継続企業へと変化する
↓ - 「期間」という慨念が出現する
↓ - 事業拠点を持ち、建物や機械など、⻑期的に使⽤する資産を多く保有するようになる
↓ - 複数の期間に渡って資産を保有・使⽤する
↓ - 固定的なものとして資産を認識する(資本の固定化)
↓ - 「固定資産」という概念が出現する
↓ - 固定資産の多くは、使⽤することによって時間の経過とともに、その経済価値が減少する
↓ - 資産を取得したときの「現⾦の⽀出」と、経年劣化による資産の「経済価値の減少」に、時間的なズレが⽣じる
↓ - ズレを処理ための会計が求められる
② 在庫の出現
- 当座企業は、残ったものもすべて処分して利益を計算していた
↓ - 「売れ残り(在庫)」という概念が存在しなかった
↓ - 当座企業から継続企業へと変化する
↓ - 「期間」という慨念が出現する
↓ - 事業の拠点を構え、⼯場や倉庫、機械などの固定資産を⽤いるようになる
↓ - ⼤量の⽣産や仕⼊れが継続的に可能となる
↓ - 期末に商品・製品の売れ残りが発⽣する
↓ - 「売れ残り(在庫)」という概念が出現する
↓ - 在庫を処理ための会計が求められる
③ 信⽤経済の発達
- ⼤量の⽣産や仕⼊れが継続的に可能となる
↓ - 掛け取引や⼿形取引(信⽤経済)が⾏われるようになる
↓ - 信⽤経済が発達する
↓ - 財貨やサービスの引き渡し・受け取りと、その対価である現⾦の受け取り・⽀払いとに時間的なズレが⽣ずる
↓ - 時間的なズレは、同⼀の期間内において⽣じることもあれば、複数期間に渡ることもある
↓ - 複数期間にまたがった取引を処理ための会計が求められる
発⽣主義会計の導⼊
- 当座企業から継続企業へと企業形体が変化する
↓ - 期間、固定資産、在庫、信⽤経済の出現によって経済社会が変化する
↓ - 「現⾦の収⽀」と「経済価値の増減」とに時間的なズレが⽣ずるようになる
↓ - 「個別計算(⾮期間計算)」から「期間計算」へという利益計算が変化する
↓ - 「現⾦主義」から「発⽣主義」へと会計における認識が変化する
↓ - 「発⽣主義会計」を導⼊する
現⾦主義会計から発⽣主義会計への移⾏
企業形体 | 利益計算 | 認識原則 | |||
---|---|---|---|---|---|
過去 ↓ 現在 |
当座企業 ↓ 継続企業 |
――→ 影響 |
⼝別計算 ↓ 期間計算 |
――→ 影響 |
現⾦主義 ↓ 発⽣主義 |