30. 収益の認識と実現主義

収益とは

  • 企業の経営活動の成果
  • 各企業が、具体的な⽣産活動や流通活動を通じて、新たな経済価値を形成する(経済価値を増加させる)ことによって⽣じる

営業プロセスにおける経済価値の増加

  • 製造業を営む企業の場合
    • 営業プロセス:原材料を購⼊し、それを製造⼯程に投⼊・加⼯することで製品を完成させ、完成した製品を販売して、最終的にその代⾦を回収する
    • 経済価値の増加:製造⼯程において、⽣産物に⼿が加えられることによって、徐々にその経済価値は増加している
  • ⼩売業や卸売業を営む企業の場合
    • 営業プロセス:他の企業から財貨(商品)を仕⼊れ、それをまた別の企業や消費者へ販売し、最終的にその代⾦を回収する
    • 経済価値の増加:財貨の物理的(場所的)な移転にともなって、経済価値の増加が⽣じている

発⽣主義で収益を認識したときの問題

  • 発⽣主義による収益の認識
      ↓
  • 製造業では、製造⼯程が進⾏する度に収益を認識するため、把握するのが不可能に近い
      ↓
  • 商業では、財貨の物理的な移転に基づいて収益を認識するが、常にあらかじめ定めた価格で販売できるとは限らない
      ↓
  • 収益の確定性や客観性が確保されるまで、その認識を延期すべき
      ↓
  • 実現主義の誕⽣