35. 2つの収益認識

「実現主義=販売基準」とする場合の収益認識

  • ベースは「販売基準」、「⽣産基準・回収基準」は実現主義の例外
  • 問題点
    • 「実現主義の例外」とみなされる基準やケースが存在してしまう
    • 会計構造全体は「発⽣主義会計」を採⽤しているが、収益の認識では「発⽣主義の例外」が存在してしまう
    • 「実現主義・発⽣主義・現⾦主義」が対⽐関係となり、収益が認識しづらい
ビジネスプロセス
1.材料購⼊
2.⽣産開始 ⽣産基準 「発⽣主義」による収益認識
3.⽣産完了 (実現主義の例外)
4.販売 (引き落とし) 販売基準 「実現主義」による収益認識
5.代⾦回収 回収基準 「現⾦主義」による収益認識 (実現主義の例外)

「実現=経済価値の増加の確定性・客観性が確保された時点」とする場合の収益認識

  • 「販売基準・⽣産基準・回収基準」はすべて実現主義
ビジネスプロセス
1.材料購⼊
2.⽣産開始 ⽣産基準 「実現主義」による収益認識
3.⽣産完了
4.販売 (引き落とし) 販売基準
5.代⾦回収 回収基準

どちらの収益認識が妥当か

  • 実現主義は「確定性・客観性の確保」という要件を満たした時点で、経済価値の増加を認識するのが妥当
    →「販売基準・⽣産基準・回収基準=多様な業種・業態における収益の確定性・客観性の確保のケース」と捉えてしまう
  • 「実現主義=⼀定の制約条件をともなった発⽣主義」とするのが妥当
    →「収益における実現主義」と「費⽤における発⽣主義」が「発⽣主義会計」という1つの会計構造の中に⽭盾なく存在でき