127. 日本の会計制度 (2)

日本の会計がややこしくなった理由

  • 会計が複数の法によって規制されていただけでなく、三法は起源や理念、目的が異なり、それぞれが会計に対して異なった要求を持っていた。
    1. 商法
      • 理念・目的は「債権者保護」
      • ドイツの商法に由来する。
      • 更にさかのぼれば、フランスはルイ14世の時代、1673年の商事王令に行き着く。
      • 資本と経営との分離が一般化をみない当時は、法が保護するのは「債権者」のみであった。
      • 大陸法の系統に属する。
    2. 証券取引法
      • 理念・目的は「投資者保護」
      • アメリカよりもたらされた。
      • 英米法の系統に属する。
  • 大陸法と英米法は、法のあり方が根本的に異なる。
    1. フランス、ドイツの法に代表される「大陸法」
      • 詳細、厳密な規定によって、一定レベルの秩序は維持される。
      • 画一的、硬直的であるため、多様性や変化に的確に対応しきれない点に問題がある。
      • ローリスク・ローリターン型の法
      • <商法の考え方>
        債権者保護を旨とする。
          ↓
        債務弁済のための資金が多い方がよい。
          ↓
        資金の流出を意味する配当は少ない方がよい。
          ↓
        配当の源泉となる利益は少ない方がよい。
          ↓
        費用は多い方がよい。
          ↓
        費用を減らす、担保価値を持たない繰延資産は少ない方がよい。
          ↓
        費用を増やす引当金は多い方がよい。
    2. イギリスの法に代表される「英米法」
      • 厳密な規定は持つことなく、個々の情況における判断に事を委ねる。
      • 適切な判断が行われる場合は、弾力的で的確な対応がもたらされる。
      • 適切な判断が行われない場合は、一定レベルの秩序すら維持されない。
      • ハイリスク・ハイリターン型の法
      • <証券取引法の考え方>
        税収の確保を旨とする。
          ↓
        税金を多く徴収したい。
          ↓
        法人税法では、利益(課税所得)は多い方がよい。
          ↓
        費用は少ない方がよい。
          ↓
        費用を減らす繰延資産は多い方がよい。
          ↓
        費用を増やす引当金は少ない方がよい。