第5章を通して、持続的イノベーションと破壊的イノベーションについて次のことが言える。
[持続的イノベーション]
- 一般的に市場が複雑なほど、持続的イノベーションにおけるリーダーシップの重要性は低い。
- 持続的イノベーションでリーダーシップをとったからといって、待ちの戦略をとった企業より優位に立てるという確証はない。
[破壊的イノベーション]
- 破壊的技術を開発し商品化するプロジェクトを、それを必要とする顧客を持つ組織の中に組み込む。
- 破壊的技術に適した価値基準やコスト構造を持つ組織を作り出す。
- 破壊的技術を開発するプロジェクトは、小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せる。
- 破壊的技術に取り組むために(主流組織の資源の一部は利用するが)主流組織のプロセスや価値基準は利用しない。
- 経営者が破壊的イノベーションを“適切な”顧客に結びつけると、顧客の需要により、イノベーションに必要な資源が集まる可能性が高くなる。
- 破壊的技術を商品化する際は、破壊的製品の特徴が評価される新しい市場を見つけ出す。
- 破壊的技術の市場を探るときは、早い段階にわずかな犠牲で失敗にとどめられるよう計画を立て、試行錯誤の繰り返しの中で市場を形成していく。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社