下位市場への移動には3つの障害がある。
- 上位市場の利益率が魅力的である
- 顧客の多くが同じくして上位市場へ移行する
- 下位市場で利益をあげるためにコストを削減するのが難しい
これらの障害のせいで、社内で新製品開発のための資源配分について議論するとき、破壊的技術を追求する案は、上位市場に移行する案に負けてしまう。その結果、下位のバリュー・ネットワークに空白が生まれ、競争に強い技術とコスト構造を備えた新規参入企業がそこへ引き寄せられる。そしてしばらくすると、上位市場を容赦なく攻撃してくるようになる。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社