競合企業の経営状況を把握して、その強みと弱みをつかんだ上で、「剣と盾」を携える。そして「競合企業ができないことや、しようとしないことをしている企業」を探し出す必要がある。そのために、資源(Resource)・プロセス(Process)・価値基準(Value)に関する「RPV理論」を押さえ、企業の強みと弱みの源泉を理解するとよいだろう。
企業のRPVを評価するには、次の質問に答えればよい。
- 企業は機会をものにするために必要な資源を持っているか、または動員できるか?
- 企業のプロセスは、企業がしなければならないことを効果的かつ効率的に実行するのに役立つだろうか?
- 数ある選択肢があるなかで、企業の価値基準はこの特定の機会を優先するだろうか?
表2-1は、企業の経営状況を把握してRPVを評価する方法をまとめたものである。資源は目に見える場合が多い。また企業が繰り返し解決しなければならない困難な問題を推測すれば、企業の中核的なプロセスがどのようなものなのかがわかる。そして損益計算書と過去の投資履歴は、企業の価値基準を知る重要な手がかりになる。
用語 | 定義 | 何に注目するか |
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資源 | 企業が持っているもの、または利用できるもの |
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プロセス | 事業を行う方法(スキル) |
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価値基準 | 優先順位づけの基準(動機づけ) |
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<参考文献>
クレイトン・M・クリステンセン (著), スコット・D・アンソニー (著), エリック・A・ロス (著) (2014)『イノベーションの最終解』翔泳社