脱コモディティ化という補完的プロセスの要点をまとめると次のようになる。
- モジュール型製品の組立業者による低コスト戦略が有効なのは、高コストの競合企業と競争する限りにおいてである。
- モジュール型製品の組立業者が魅力ある利益を持ち続けるためには、コス卜の高い独自開発製品の供給業者をある市場階層から駆逐するや否や、できるだけ早く上位市場に移行して、再び高コスト企業と対決しなければならない。
- 性能決定サブシステムは、モジュール型製品の組立業者がどれだけ速く上位市場へ移行できるかを制約または決定するメカニズムである。
- 「競合よりも自社のサブシステムの方が最終製品の性能を高められる」と顧客に認識させるために、サブシステムの供給業者はより相互依存的で独自仕様の設計を開発せざるを得ない。
- 同業者間の競争を通して、性能決定サブシステムの大手供給企業は、差別化された独自製品を魅力ある利益率で販売できるようになる。
- 収益性の高い独自製品の創出は、次のコモディティ化と脱コモディティ化の周期の始まりである。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社