ステップ3:アイデアを形成するためのチームやプロセスを作る
アイデアが資金を獲得するために戦略・計画へと形作られていくうちに、破壊的成長の潜在能力を失ってしまう。アイデアを成功率の高い破壊的イノベーションに形成するためには、独立的に運営されるプロセスを作る必要がある。
全社レベルのコア・チーム(小規模なグループ “始動者と形成者”)を設置し、このチームに破壊的イノベーションのアイデアを収集させ、それを「リトマス試験」に適合するような破壊的事業計画にまとめる責任を持たせる。また、このチームには「確実に資金が配分されて実行に移されるような、反復可能で信頼できる確実なシステム」を開発させるのである。
コア・チームは破壊理論の実践を通じて、以下のことが対応できるようになる。
- 破壊として形成できるアイデアと形成できないアイデアを判別することができる。
- 破壊的イノベーションあるいは持続的イノベーションとして形成する見込みがあるアイデアを識別できる。
- どのアイデアが既存事業の形成プロセスや資源配分プロセスに注ぎ込まれるべきかを識別できる。
コア・チームが破壊的事業を立ち上げる際には、「戦略的計画や予算策定のための既存の標準的プロセス」を用いることはできない。コア・チームのメンバーは、新事業のマネージャーに戦略的計画や予算管理のテクニックを指導する必要がある。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著) (2001)『イノベーションのジレンマ 増補改訂版:技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社