成長機会に取り組む組織の経営者は、第一に、成功するために必要な人材やその他の資源があるかどうかを判断しなければならない。第二に、次の2つの質問に答える必要がある。
- 組織で習慣的に用いられているプロセスは、この新しい課題にふさわしいのか?
- 組織の価値基準は、この実行計画に必要な優先順位を与えるのか?
優良企業が、破壊的イノベーションでの成功率を高めるためには、機能別に構成された軽量級チームと重量級チームをそれぞれ適切な場合に用い、持続的イノベーションについては主流組織で商品化し、破壊的イノベーションは自律的組織に任せる必要がある。
企業は「安定企業特有の問題に取り組むために、精緻化されたマネジメント・スキルを備えた有能な人材」を活用することがある。このようなマネージャーは、新しい課題には適さない「プロセス」や「価値基準」のもとで業務を遂行しなければならない。企業は、新しい課題に合った「プロセス」や「価値基準」を持つ組織に、有能な人材を配置するようにしなければならない。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社