「資源 – プロセス – 側値基準」の枠組みは、買収した組織を統合するという課題に取り組む上でも役立つ。
企業は「買収」を実行することで、買収した企業の「資源」「プロセス」「価値基準」を手に入れることができる。買収に際しては、これから買収する企業の価値の源泉は何か、また企業の価値は「資源」「プロセス」「価値基準」のどこから生み出されたのかを検討する必要がある。
もし買収した企業の成功要因が「プロセス」や「価値基準」にあるならば、その会社を新しい親会社に統合してはならない。統合で吸収された企業の「プロセス」や「価値基準」の多くが消滅してしまうからだ。「プロセス」や「価値基準」が成功要因であるならば、買収した企業を独立採算性にして、その「プロセス」や「価値基準」に「資源」を注入すべきである。
買収理由が企業の「資源」であるならば、親会社への統合に意味はある。買収した人材、製品、技術、顧客を親会社のプロセスに接続することで、親会社の既存能力を活用できるからだ。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社