製品の「アーキテクチャ(基本設計概念)」は、製品の構成要素とサブシステムを決定し、目標機能を実現するためにそれらがどのように相互作用する必要があるかを定義する。また、任意の2つの構成要素が組み合わさる境界面は「インターフェース」と呼ばれる。
一方の設計・製造方法が、もう一方の設計・製造方法に依存する状態のことを「相互依存型アーキテクチャ」という。あるインターフェイスを挟んで予測不能な相互依存性が存在する場合、組織はどちらか一方の構成要素を開発するために、同じ組織内で同時に両方の構成要素を開発しなければならない。
「相互依存型アーキテクチャ」は、それぞれの構成要素を最適な方法で設計・開発するため、機能面と信頼面での性能を最適化する。これに対して「モジュール型アーキテクチャ」は、あらゆる構成要素の絡み合いや機能が完壁に指定されている。モジュール型インターフェースでは、バリューチェーンの全構成要素または全段階にわたって、予測不能能な相互依存性が全く存在しない。「モジュール型アーキテクチャ」は誰が部品やサブシステムをつくるかを問わない代わりに、厳しい規格によってエンジニアに設計の自由を与えない。
純粋なモジュール型と相互依存型のアーキテクチャは、連続体の両極に位置し、ほとんどの製品がその両極間に位置している。そして製品アーキテクチャを競争状況に適合させる企業が、成功する可能性が最も高い。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社