市場での自由競争に勝つための動き
- 企業は大量生産によって商品のコストを下げようとする(規模の経済)
- 企業の規模は次第に大きくなる(生産の集積)
- 競争力のない企業が市場から消える(生産の集中)
- 市場には少数の大企業だけが生き残る(寡占・独占)
規模の経済
- 生産量の増大につれて、平均費用(コスト)が減少した結果、利益率が高まる傾向のこと
- 規模の経済性が働く産業
- 他の企業に先駆けて市場に参入し、いち早く生産量を拡大した企業が、競争力を強め、市場において有利な地位を確立する
- 日本の主要輸出製品(自動車や半導体など)
- 規格化しやすく、大量生産に適した製品
- 生産量の拡大に伴い、生産技術の向上などの習熟効果が強い
- 研究開発費などの初期投資が巨額である
- 量産によるコスト低下の効果が著しい
寡占市場
- 寡占:市場に少数の大企業しかいない状態
独占:市場が1杜で支配されている状態 - 寡占市場の特徴
- 技術革新でコストが下がったり、需要が減少したりしても、価格が下がりづらい(価格の下方硬直性)
- 市場シェアが最も高い企業が「プライス・リーダー」となって価格を設定すると、他の企業もそれに続いて同じ価格を設定する(管理価格)
- 宣伝などによって購買欲を刺激されて、商品を買う傾向が強くなる(依存効果)
- 宣伝費が巨額にふくらみ、それが価格に転嫁される
- デザイン、ブランド、宣伝、アフターサービスなどによる「非価格競争」が行われる
独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
- 自由で公正な競争を確保するための日本の法律
- 公正取引委員会(独立した行政委員会)が取り締まる
- 自由競争の確保のために、カルテル、談合、ダンピング、再販売価格維持制度などを禁止
- カルテル
- 企業・事業者が独占目的で行う、価格・生産計画・販売地域等の協定
- 談合
- 公共工事などの入札の際に、入札価格や業者間の利益配分、落札業者を事前に話し合って決めること
- ダンピング
- シェアの拡大や競争に勝つために、商品の販売価格を適正な価格より不当に安くすること
- 再販売価格維持制度
- 品質低下を避けるために、メーカーが卸売価格や小売価格を指示して、問屋や小売庖に商品を流す制度
- 書籍・CD・新聞・医薬品や化粧品など一部の商品について独占禁止法を適用しない
- カルテル