24. 企業買収による寡占・独占

19世紀後半に生まれた企業集中の形態

  • カルテル(企業連合)
    • 同一業種の複数の企業が独占目的で行う、価格・生産計画・販売地域等の協定
    • 官公庁などが行う入札制度における事前協定を「談合」と呼ぶ
  • トラスト(企業合同)
    • 同一業種の複数の企業が株式の買収や持合い、受託を行ったり、持ち株会社を設立して同種企業を傘下に持つなどして、企業として一体化すること
    • 市場を寡占、独占することを目的としている
  • コンツェルン(企業連携)
    • 親会社が個々に独立した企業の株式を持ち、実質的に支配すること
    • 銀行かそれに相当する企業の持株会社が、多種多様な産業を支配した状態
  • コングロマリット(複合企業)
    • 異業種の会社まで合併などで吸収し、多種類の事業を営む大企業
    • 企業のM&A(合併・買収)を積極的に行う

TOB(株式公開買付)

  • ある株式会社の経営権を握ることを目的に、「買付け期間・買取り株数・価格」を公表して、不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集める仕組み
  • 第三者が、企業買収や子会社化など、対象企業の経営権の取得を目的に実施することが多い

TOBの種類

  • 友好的TOB
    • 買収される会社の経営陣などの賛同を得て実施する株式公開買付け
  • 敵対的TOB
    • 賛同を得ずに一方的に行う株式公開買付け

TOBの具体例

  • ライブドアによるニッポン放送の買取に対抗した、フジテレビの「友好的TOB」
  • ドン・キホーテによるオリジン東秀への「敵対的TOB」と、それに対抗したイオンの「友好的TOB」
  • 村上ファンドによる阪神電気鉄道M&A、それに対抗した阪急ホールデインクスの「友好的TOB」
  • 王子製紙による北越製紙への「敵対的TOB」