48. 金融制度の変遷

金本位制度

  • 中央銀行は、保有する金の量に応じて、金と交換できる銀行券(免換銀行券)を発行する
  • 1929年の大恐慌(世界恐慌)以前、世界各国の通貨制度は金本位制度であった

金本位制度と景気の関係

  • 好況で国内需要が増える
      ↓
    輸入が増える
      ↓
    保有する「金」が支払いに充てられ、海外に流失する
      ↓
    通貨の発行量が減少
      ↓
    景気の過熱が抑えられる
  • 不況で国内需要が減る
      ↓
    輸出が増える
      ↓
    海外から「金」が流入する
      ↓
    通貨発行量が増加し、景気が回復していく

金本位制度から管理通貨制度への移行

  • 1929年の大恐慌以後、世界各国は金の保有量にしばられない政策を展開するために、金本位制度から離脱した
  • 景気や物価の変動を金融政策などによって調節するため、 世界各国は管理通貨制度を採用するようになった

管理通貨制度

  • 中央銀行は、金と交換できない銀行券(不換銀行券)を発行する
  • 中央銀行は、金の保有量に関係なく、景気や物価の変動を調節し、外国為替を安定させるために通貨の発行量を決めることができる

クリーピング・インフレーション(忍び寄るインフレ)

  • 好況・不況に関係なく、物価水準が徐々に、かつ持続的に上昇する状態
  • 完全雇用や経済成長を実現するために、中央銀行が通貨発行量を増加していくと、物価水準が徐々に上がり、インフレに陥ることがある
  • 中央銀行はインフレにならないよう、「インフレターゲット」や「物価水準目標」という目標値を設定して金融政策を行う