52. 日銀の金融政策以外の業務

為替平衡操作(外国為替平衡操作、為替介入)

  • 日銀や財務省などの通貨当局は、外国為替市場において外国為替相場に影響を与えることを目的に、外国為替の売買を行う
    • 外国為替相場の変動は、輸出入商品の価格の変動を通じて、国内の物価にも影響を与える
    • 日銀の役割=物価の調整 → 物価に影響を与える外国為替相場の調整も仕事
  • 世界各国と協調して、外国為替市場に介入(為替平衡操作)し、その安定を図っている
    1. ドル売り・円買い介入
      • 円の急激な下落やドル高を是正するために、外国為替資金特別会計の保有するドル資金を売却して、円を買い入れる
      • 日銀が外国為替市場で、手持ちのドルを売って円を買う
         ↓
        日銀が円を吸収し、世の中に出回っている通貨供給量が減少
         ↓
        円が希少となり、円の価値がドルに対して上がる
         ↓
        円高・ドル安へ
    2. ドル買い・円売り介入
      • 円高の行き過ぎを阻止したり、ドル安を防ぐために、政府短期証券(FB)を発行して市中金融機関から調達した円資金を売却し、ドルを買い入れる
      • 日銀が外国為替市場で、手持ちの円を売ってドルを買う
         ↓
        世の中に出回っている通貨供給量が増加
         ↓
        円が溢れて(希少でなくなり)、円の価値がドルに対して下がる
         ↓
        円安・ドル高へ
  • 為替介入は「財務大臣の権限」のもとに行われ、財務大臣の代理人として日銀が為替介入を実施している
    • 外国為替及び外国貿易法第7条第3項
      財務大臣は、対外支払手段の売買等所要の措置を講ずることにより、本邦通貨の外国為替相場の安定に努めるものとする
    • 外国為替資金特別会計法第6条第1項
      財務大臣は、前条の規定による外国為替資金の運営に関する事務を、日本銀行に取り扱わせることができる
  • 為替介入には、財務大臣が管理する「外国為替資金特別会計(外為会計)」の資金が使われる