112. 売上高利益率

総資本利益率の分解

  • 売上高を介在させることによって、売上高利益率と総資本回転率とに分解することができる。

売上高利益率

  • 売上高に占める利益の割合。
  • 売上高のうちのどのくらいが利益になっているのかを示す指標。
  • この利益率が高いほど収益性が優れている。
売上高利益率 = ( 利益 / 売上高 ) × 100 (%)

売上高総利益率

  • 商業の場合は、商品の販売代金から売上原価を控除した売上総利益を売上高で除した比率。
  • 商品に平均してどの程度の利益を付加して販売しているかを示す。
  • 売上総利益率 = 粗利益率
  • この利益率が高ければ高いほどよい。
  • 製造業の場合は、売上原価の内容は製造原価であって、これには製造固定費が含まれている。
  • 生産量の変動によって単位あたりの製造固定費の割合が変わってくるため、必ずしも商業の場合と同様に考えることができない。
売上高総利益率 = ( 売上総利益 / 売上高 ) × 100 (%)

売上高営業利益率

  • 売上高と売上総利益から販売費および一般管理費を控除した営業利益との比率。
  • 企業の営業活動の総合的な成果を示す指標。
  • 営業利益は生産や販売といった営業活動によって獲得された利益であって、金融取引等はこれの影響を受けることがない。
  • 売上高営業利益によって販売活動や管理活動の効率性を把握することができる。
  • 売上総利益がいかに大きくとも、多額の販売費や一般管理費を必要とするならば、営業活動は全体的に効率的な状況にあるとはいえないため、この比率は売上総利従率よりも重要性が高い。
売上高営業利益率 = ( 営業利益 / 売上高 ) × 100 (%)

売上高経常利益率

  • 売上高と企業の財務活動から生じた金融収益、金融費用を考慮した後の経常利益との比率。
  • 営業利益に営業外収益、営業外費用を加減したもの。
  • 企業の実力を反映した最も合理的な利益概念。
  • 他企業との比較において、売上高営業利益率は同程度であるにもかかわらず、売上高経常利益率が異なる場合は、財務体質の良否が大きく影響している。
売上高経常利益率 = ( 経常利益 / 売上高 ) × 100 (%)

売上高当期利益率

  • 売上高と企業の最終的な利益である当期純利益との比率。
  • 売上高と当期純利益とは直接的な因果関係が薄いため、売上高当期利益率だけでは経営状況の判断が難しい。
  • 他企業と比較した際にこの比率が同程度であっても、売上高総利益率、売上高営業利益率、経常利益率など、その他の指標も考慮する必要がある。
売上高当期利益率 = ( 当期純利益 / 売上高 ) × 100 (%)