一般に技術改良の軌跡は、どの市場階層においても顧客の利用能力が向上するぺースを上回るため、「相互依存型アーキテクチャ&統合型企業」から「モジュール型アーキテクチャ&特化型企業」へと向かう。
顧客のニーズの変化は、図5-2で示すように比較的緩やかなペースで起こるが、ときには顧客が要求する機能性に非連続的な変化が生じ、顧客ニーズの変化を上方に押し上げることがある。この現象が発生すると、統合が競争優位の源である状況に逆戻りする。
図5-2. 顧客ニーズと競争基盤の変化
競争において、統合が優位となる地点と非統合が優位となる地点は、時とともに移動する。したがって、バリューチェーンの各段階をつなぐインターフェースをまたいで統合している企業は繁栄する。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社