20. ⼀般原則:正規の簿記の原則

正規の簿記の原則

  • 「企業会計はすべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない」とする原則
  • 記録⾯において財務諸表の真実性を⽀える原則(記録形式に関する原則)
  • ① 記録の網羅制、② 検証可能性、③ 秩序性、の3要件を満たす記録形式で、会計帳簿の作成を要請する

正規の簿記の原則が容認しないこと

  • 実在する資産や負債を「簿外資産」や「簿外負債」とすること(帳簿に記載しないこと)は「① 記録の網羅性」によって許容されない
  • 簿外資産、簿外負債とする処理は、影響を⼩さくとどめることを条件として、重要性の乏しい項⽬であれば容認される

① 記録の網羅性

  • 「すべての取引が会計帳簿に完全に記録される」という性質
  • 網羅性が確保されることによって、取引の漏れがない財務諸表の作成が可能となる

② 記録の検証可能性

  • 「会計帳簿における記録が取引事実にもとづくものであると客観的に確認できる」という性質
  • 会計帳簿における記録が、取引事実を⽴証しうる納品書、領収書、借⽤書、出庫伝票などの証拠資料をもとに⾏われ、必要に応じて帳簿記録から実際の取引への跡づけができる
  • 会計帳簿の信頼性が確保される

③ 記録の秩序性

  • 「取引が⾸尾⼀貫したルールに則して組織的に記録される」という性質
  • 個々の取引を記録した原資料として、会計帳簿から最終的に作成される財務諸表までの記録プロセスが体系的に⾏われる