23. ⼀般原則:継続性の原則

継続性の原則

  • 「企業会計は、その処理の原則及び⼿続を毎期継続して適⽤し、みだりにこれを変更してはならない」とする原則
  • 複数の会計処理⽅法が認められている場合において、⼀度採⽤した会計処理⽅法を、他の⽅法へ変更することを規制するもの

会計処理の選択

  • 財務諸表の作成では、1つの取引や経済的事実に対して、複数の会計処理⽅法が⽤意され、財務諸表作成者がその中から適当なものを選択することができる場合がある
    • 棚卸資産の払い出し単価の決定⽅法
      • 先⼊先出法
      • 後⼊先出法
      • 移助平均法
    • 固定資産の減価償却⽅法
      • 定額法
      • 定率法
  • 複数の会計処理⽅法からの選択が認められている理由
    • 規模、業種、営業形体などにおいて、多種多様な企業に特定の会計処理⽅法のみを画⼀的に強制すると、かえって実態とは異なる財務諸表が作成されてしまう
    • 企業の現実に照らし合わせて考案され、会計実務を通して慣習化し、⼀般に公正妥当と認められるようになった、複数の会計処理⽅法を⼀元化することは困難である
  • 採⽤した会計処理⽅法に継続性が求められる理由
    • 財務諸表作成者が恣意的に会計処理⽅法を変更すると、利益操作が可能となる
    • ⼀度採⽤した⽅法が変更されると、同⼀企業の財務諸表の期間⽐較ができなくなる

継続性の原則のルール

  • ⼀度採⽤した会計処理⽅法は、正当な理由によって変更される場合を除き、継続的に適⽤されなければならない
    • 例)× 定額法から定率法への変更
  • 会計処理⽅法の変更が、同⼀⽅法の継続的な適⽤よりも有益な情報を提供する場合は、変更が認められる
    • 会計処理⽅法の変更が認められる理由
      • 企業の⼤規模な経営⽅針の変更(取り扱い品⽬の変更、製造⽅法の変更、経営組織の変更など)
      • 経済環境の急激な変化(国際経済環境の急変、急激な貨幣価値の変動、関連法令の改廃など)
    • 正当な理由によって変更を⾏った場合には、変更内容、変更理由、変更による財務諸表への影響を注記しなければならない