25. 一般原則:単⼀性の原則

単⼀性の原則

  • 「株主総会提出のため、信⽤⽬的のため、租税⽬的のため等、種々の⽬的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表⽰をゆがめてはならない」とする原則
  • 財務諸表の形式⾯での多元性は認めるものの、実質⾯では、⼀元性を要求するもの

財務諸表の実情

  • 企業は多様な⽬的ごとに形式の異なる財務諸表を作成する
    • 租税⽬的の場合
      → 課税所得が明らかになる財務諸表
    • 信⽤⽬的の場合
      → 債務弁済能⼒が明らかになる財務諸表
    • 株主総会提出⽤の場合
      → 経営者の経営責任や経営能⼒が明らかになる財務諸表
  • 経営者は、それぞれの作成⽬的をより効果的に果たしうる財務諸表を作成する動機を持つ
    • 株主や債隆者向けの財務諸表
      → できるだけ多くの利益や純資産を計上することによって、信任の獲得や資⾦調違などを容易にする
    • 租税⽬的の財務諸表
      → 利益を少なく計上することによって、課税所得を減らす
    • ⼆重帳簿など、事実を歪めた記録から作成されることは認められない
      財務諸表は、正規の簿記の原則に準拠して、経済的事実に基づく同⼀の会計記録から作成されなければならない

単⼀性の原則における財務諸表のルール

  • 様式、科⽬の配列、科⽬分類の精粗などの形式が、作成⽬的ごとに異なることは認める
  • 作成⽬的に応じて、異なる利益や純資産を計上することは許されない
  • 財務諸表の実質的内容には、⽬的の如何にかかわらず、単⼀であることが要求される