期間収益と期間費⽤の違い
- 収益
- 実現主義に基づいて、そのまま「期間収益」となる
- 費⽤
- 発⽣主義に基づいているが、そのまま「期間費⽤」となるわけではない
- 「価値減少事実の発⽣」によって⼀端は費⽤として認識されるが、「期間収益との対応関係」がなければ認められない
収益費⽤対応の原則
- 「収益の認識基準としての実現主義」と「費⽤の認識基準としての発⽣主義」との橋渡しをする原則
- 「発⽣主義に基づいて認識された期間費⽤」の中から「実現主義に基づいて認識された期間収益」と対応する部分が抜き出される
- 「期間収益(価値増加)」と「期間費⽤(価値減少)」との間に、結果・原因・対応関係を求める
- ある期間の経営活動から得た収益と、それを得るために費やされた費⽤との差としての利益を、より適切な形で表すことができる
- 収益や費⽤の勘定科⽬によって対応に違いが出る
- 「期間収益」と「期間収益」とに対応表⽰を求めることから「収益費⽤対応表⽰の原則」ともいう
収益 | 費⽤ | ||
---|---|---|---|
発⽣時 | 価値増加 |
【発⽣の認識】 価値減少 |
|
実現時 | 【実現の認識】 確定性・客観性の認識 = 期間収益 |
← 収益費⽤対応の原則 → (期間費⽤の抜き出し) |
期間収益と対応したもの = 期間費⽤ |
期末後 | 収益と未対応のもの = 資産(将来の費⽤) |
収益費⽤対応の原則:メーカーの例
- 製品を製造するために材料を消費した時点で、発⽣主義(価値減少事実の発⽣)に基づいて、材料費として認識される
- 製品の製造によって価値増加も発⽣するが、製品が完成して外部に販売されるまで、収益の認識は⾏われない
- 材料費も直ちに期間費⽤とはならず、製造途上では「仕掛品の原価」、完成後では「製品の原価」を構成するものとなる
- 製品が販売され、収益(売上)が認識されてはじめて、収益(売上)と対応関係をもつ費⽤(売上原価の⼀部)として期間費⽤となる
費⽤性資産(仕掛品、製品)
- 将来の期間費⽤となるものであるため、損益計算書には記載しない
→ 貸借対照表において繰り越される - 仕掛品、製品 = 将来において期間費⽤となるもの
- 将来の収益獲得に役⽴つもの = 資産のような性質を持つもの