40. 測定:資産の測定基準

資産の測定ポイント

  1. どの時点の⾦額に基づいているか?
    • 過去か、現在か、未来か
  2. 「犠牲」と「成果」のどちらに属する⾦額か?
    • 犠牲 = ⽀出額
    • 成果 = 収⼊額

資産の測定区分

過去 現在 未来
犠牲(⽀出額) 取得原価 現在原価     
成果(収⼊額) 売却時価 割引現在価値     

取得原価

  • 資産を取得するために⽀出した額
  • 資産を取得した時点の価格
  • 決算時では、過去の価格となる = 歴史的原価
  • 客観性のある数値
    1. 売り⼿と買い⼿の取引関係において、客観的に⾒極められた数値
    2. 過去の事実に基づく客観的な数値

現在原価

  • 現在における原価
  • 保有する資産を、現時点で改めて購⼊したときに要する⽀出額
  • 現在の購⼊市場における価格
  • 資産の再調達、または取り替えを仮定した価格 = 再調達原価、取替原価

売却時価

  • 販売市場における現在の価格
  • 現在の収⼊額
    • 売却額それ⾃体ではなく、売却にかかる附随費⽤(⼿数料や処理費⽤など)を差し引いた正味の額 = 正味実現可能価額、正味売却価格
    • 資産の測定額となる

割引現在価値(割引現価)

  • 割引現在価値とは
    「将来キャッシュフローの割引現在価値」の略称
    保有する資産によって獲得が⾒込まれる「将来の現⾦収⼊額(キャッシュフロー)」を、⼀定の利⼦率(割引率)で割り引いて計算される額
    将来の収⼊額を基礎にした測定額
  • 割引現在価値の判断基準
    1. 主観価値による判断
      • 将来のキャッシュフローと、これを割り引く利⼦率が、企業の主観的な判断に依存する
    2. 使⽤価値による判断
      • 将来のキャッシュフローが、「⼀般的な資産の使⽤」によって判断される
  • 割引現在価値の算定
    • 「将来のキャッシュフローの⾒積もり」と「割引率の決定」が必要となり、企業の主観的判断に依存する
    • 同⼀の資産であっても、割引現在価値を計算する過程や結果により、額が異なる場合がある