48. 流動資産 (1)

現金・預金

  • 会計上の現金
    • 通貨
    • 即座に換金可能なもの
      • 他人振出の当座小切手
      • 郵便為替証書
      • 期日の到来した公社債の利札
      • 株式の配当金領収証
  • 預金
    • 銀行や信託会社などの金融期間における各種の預金や貯金
    • 金銭信託
    • 1年基準を適用
    • 決算日の翌日から起算して、1年以内に期限が到来する預金は「流動資産」、期限が1年以内には到来しない預金は「固定資産」とみなす

受取手形、売掛金、前払金

  • 企業の主目的である営業取引において生ずる債権
    • 販売によって生ずる受取手形や売掛金
    • 商品や原材料等の購入に先立って生ずる前払金
    • 正常営業循環基準の適用によって「流動資産」とみなす
  • 破産債権や更生債権など、正常営業循環には属さない債権
    • 1年基準を適用
    • 決算日の翌日から起算して、1年以内の回収が見込めない債権は「固定資産」とみなす
  • 受取手形、売掛金、有価証券
    • 容易に換金することができ、支払い手段としての能力が極めて高い資産

有価証券

  • 株式や公社債など、金融商品取引法に定められたもの
  • 1年以内に満期となるものは「流動資産」、それ以外は有価証券は「固定資産」、または「投資その他の資産」とみなす
  • 保有目的や属性によって4種類に分類される
    1. 売買目的有価証券
      • 企業が資金運用の一環として、時価の変動による利益を得るために保有する有価証券
      • 事業に影響を及ぼすことなく、いつでも市場で換金することができ、比較的短期間に頻繁に売買される
      • 期末時価によって評価され、評価差額は当期の損益として処理される
    2. 満期保有目的債券
      • 企業が満期まで保有する意図をもって所有する社債、その他の債券
      • 時価が変化しても売却されないため、償却原価法によって評価される
        • 償却原価法 = 債券等を額面額と異なる額で取得した場合、その差額を利息とみなし、満期まで一定の割合で債券の額を増減させる方法
      • 満期保有目的債券とはみなされず、時価によって評価される場合
        • 「企業が当該債券を満期まで保有する意図をもって所有していること」が確認できない
        • 「企業の財務能力に照らして保有が可能であること」が確認できない
    3. 子会社株式、関連会社株式
      • 子会社 = 意思決定機関が当該企業(親会社)によって支配されている会社
      • 関連会社 = 当該企業(親会社)またはその子会社が出資、人事、取引等の関係を通じて、財務および営業の方針決定に関して重要な影響を与えることができる会社
      • 株式は投資額である「取得原価」によって評価される
    4. その他の有価証券
      • 1.~3. 以外の有価証券
      • 時価によって評価される
      • 評価損益は企業の経営努力とは関係がないため、当期の損益とはされず、純資産の部に資本と区別して記載される
  • 満期保有目的債券、子会社株式、関連会社株式、その他の有価証券のうち、市場価格があるものの時価が著しく下落し、回復する見込みが認められない場合には、評価額を時価まで切り下げ、評価差額を当期の損失として計上する必要がある
  • 市場価格のないものについても、発行会社の財政状態の悪化によって実質価額が著しく低下した場合には、同様の処理を行う

当座資産

  • 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券