54. 繰延資産

繰延資産

  • ある支出の効果が将来に渡って発現すると期待される場合に、いったん資産として繰り延べられ、徐々に費用化される資産
  • 繰延資産には、償却期間に渡って均等額以上の償却が行われる

繰延資産の捉え方

  1. 「資産=換金価値があるもの」とする立場
    • 繰延資産の計上は認められない
  2. 「資産=投下資本の回収形体を示すもの」とする立場
    • 繰延資産は将来の収益獲得に貢献する支出であって、将来の収益に対応する資産であると考える
  3. 「資産=将来の経済的便益」とする立場
    • 将来に渡って効果を発現する繰延資産の計上が認められる

繰延資産の例

  • 会社の設立や営業開始のための支出(創立費、開業費)
  • 将来の収益増加や費用削減のための支出(試験研究費、開発賞)
  • 資金調達、株式や社債の発行に要した支出(新株発行費、社債発行費)
  • 社債の額面額と発行価額との差額(社債発行差金)

臨時巨額損失

  • 繰延資産ではないが、天災等によって固定資産等の資産が巨額の損失を被り、その損失が当期の純利益、または未処分利益では補てんできず、法令によって認められる場合は、その損失額を一時的に資産に計上し、繰り延べることができる
  • 臨時巨額損失は、政策上の処理であって、会計上の資産ではないことから、できるだけ早期に償却しなければならない