61. 資本取引と損益取引

資本取引

  • 会社の設立や増資の際に行われる株主からの払い込み、減資、および合併の取引など、企業の自己資本の額を直接的に変化させる取引
  • 資本剰余金(株式払込剰余金、減資差益、合併差益)
    • 損益取引を源泉として生ずる剰余金
    • 払い込み資本 = 資本金 + 資本剰余

損益取引

  • 利益の獲得を目的として行われ、その結果として間接的に株主資本の額を変化させる取引
  • 利益剰余金(稼得資本、留保利益)
    • 損益取引を源泉として生ずる剰余金

資本取引と損益取引の区別

  • 払い込み資本、稼得資本の額に影響を及ぼす取引では「資本取引」と「損益取引」を厳密に区別しなければならない
    • 払い込み資本と稼得資本(留保利益)
      • 株主に帰属する株主資本
      • 配当による流出は、留保利益を源泉とすべきであって、これを超えて配当を行えば、資本が減少し、企業を維持することができなくなる
  • 「利益の額」の良否を判断する指標として、企業の努力が反映する「損益取引」と、その元手を変化させる「資本取引」とは明確に区別しなければならない