64. 損益計算書の要素

損益計算書

  • ある期間における企業の経営成績を示すもの
  • 企業の経営成績は、経営活動の成果である「収益」とそのための犠牲である「費用」とによって示される
  • 「収益」と「費用」との差額である「利益(マイナス額の場合は損失)」は、経営活動の結果を示す
  • 経営活動の良否を判断する際には、「収益」や「費用」よりも、「利益」を利用することが多い

損益の概念

  1. 収益
    • 企業が経営活動において新たに創出した経済価値
    • 企業に経済的資源の流入をもたらしたか、もたらすことが確実であるもの
    • 企業は生産活動や販売活動等によって新たな経済価値を創出し、利益を獲得
        ↓
      経済価値の創出 = 収益の発生
        ↓
      収益の発生を認識するための基準 = 発生主義(発生原則)
        ↓
      発生主義 = 収益や費用の認識基準のひとつ
        ↓
      発生主義を用いる会計システム = 発生主義会計
  2. 利得
    • 企業に経済的資源の流入をもたらしたか、もたらすことが確実である経済価値の増加
    • 企業の経営活動における成果とは無関係に獲得されたという点で収益とは区別される
  3. 費用
    • 企業が経営活動において費消、または喪失した経済価値
    • 企業に経済的資源の流出をもたらしたか、もたらすと考えられるもの(広義の費用)
    • 成果である収益を獲得するための犠牲 → 収益との因果関係(収益への貢献)
    • 費消、または喪失によって減少した経済価値のうち、個別の財やサービス、あるいは期間を媒介とする収益との因果関係が認められるもの(狭義の費用)
  4. 損失
    • 費用以外の経済価値の減少