2023.09.16 76. 貸借対照表と損益計算書 利益と収支のズレ 例1の、現金勘定の差額「△7」と税引後利益は「33」を比較すると、収支と利益には「40」のズレがある このズレは、非資金的損益項目、資産・負債・資本の増減によって調整される 例1. X1年度~X2年度 比較貸借対照表 X1年度末 X2年度末 差額 現金 100 93 △7 売掛金 200 250 50 商品 300 200 △100 有価証券 30 50 20 建物 0 500 500 備品 400 320 △80 資産合計 1,030 1,413 買掛金 150 100 △50 借入金 300 200 △100 資本金 500 1,000 500 未処分利益 80 113 33 負債、資本合計 1,030 1,413 例2. X2年度 損益計算書 売上高 350 売上原価 200 売上総利益 150 減価償却費 80 営業利益 70 支払利息 15 経常利益 (税引前利益) 55 税金 22 税引後利益 33 利益から収支への調整ルールによる集計 例1の比較貸借対照表に示された前期(X1年度)と当期(X2年度)との差額のうち、現金勘定以外の勘定の差額を「利益から収支への調整のルール」によって集計する 「未処分利益の増加 = 税引後利益」である 表2のように、税引後利益(未処分利益の増加)「33」に対して、売掛金の増加「△50」から、資本金の増加「500」までの数値を加減することで、収支への調整ができる 表1の備品の減少「80」は、表2の減価償却費(非資金的損益項目)「80」に相当する 備品の減少は、備品の売却による減少でなく、減価償却によるものである 表1と表2の合計金額は一致する 表1. 比較貸借対照表の現金以外の勘定の増減をまとめた表 売掛金の増加 △50 商品の減少 100 有価証券の増加 △20 建物の増加 △500 備品の減少 80 買掛金の減少 △50 借入金の減少 △100 資本金の増加 500 未処分利益の増加 33 合計 △7 表2. 表1の数値を使って現金の増減(収支)を計算した表 税引後利益 (= 表1. 未処分利益の増加) 33 売掛金の増加 △50 商品の減少 100 有価証券の増加 △20 建物の増加 △500 減価償却費 (= 表1. 備品の減少) 80 買掛金の減少 △50 借入金の減少 △100 資本金の増加 500 現金の増減 (= 表1. 合計) △7