77. キャッシュフロー計算書の作成

キャッシュフロー計算書の作成

  • 間接法と直接法の違いは、「営業活動によるキャッシュフロー」の部分のみで、「投資活動によるキャッシュフロー」と「財務活動によるキャッシュフロー」は同じである

間接法

  • 営業活動によるキャッシュフロー
    • 一般的に、「税引前利益」に対して調整を行っていく
    • 一般的に、税金と利息の支払いは、「営業活動によるキャッシュフローの小計」の後に「支出」として記載される
キャッシュフロー計算書 (間接法)
税引前利益 (経常利益) 55
売掛金の増加 △50
商品の減少 100
買掛金の減少 △50
減価償却費 80
支払利息 15
小計 150
利息の支払い △15
税金の支払い △22
営業活動によるキャッシュフロー 113
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
投資活動によるキャッシュフロー △520
借入金の返済 △100
増資 500
財務活動によるキャッシュフロー 400
現金の増減 △7
期首現金 100
期末現金 93

直接法

  • 営業活動によるキャッシュフロー
    • 営業収入は、通常の営業活動による収入である
    • 営業収入の「300」は、売上「350」から売掛金の増加分「50」を差し引いて計算されている
    • 営業活動において現金支出をともなった費用が、営業収入から差し引かれる形で表示されるため、減価償却費は表示されない
  • 営業収入
    • 前期末の売掛金がすべて当期に回収されていれば、「200」の売上収入が当期に計上される
        ↓
      当期の売上「350」がすべて現金によるものであれば、売上収入は「550」となる一方、売掛金は「0」となる
        ↓
      「250」の売掛金がある =「550」から売掛金「250」を差し引いた「300」が当期の売上収入になる
        ↓
      売上収入 = 当期の売上「350」から売掛金の増加分「50」を差し引いた額
  • 仕入支出
    • 前期末の買掛金をすべて当期に支払っていれば、「150」の仕入支出が当期に計上される
        ↓
      当期の仕入 = 売上原価「200」+ 期末商品在り高「200」- 期末商品在り高「300」= 100
        ↓
      当期の仕入「100」がすべて現金によるものであれば、仕入支出は「250」となる一方、買掛金は「0」となる
        ↓
      「100」の売掛金がある =「250」のうちの「100」は支払っていない
        ↓
      当期の仕入支出「250 - 100 = 150」
キャッシュフロー計算書 (直接法)
営業収入 300
商品の仕入支出 △150
小計 150
利益の支払い △15
税金の支払い △22
営業活動によるキャッシュフロー 113
有価証券の増加 △20
建物の増加 △500
投資活動によるキャッシュフロー △520
借入金の返済 △100
増資 500
財務活動によるキャッシュフロー 400
現金の増減 △7
期首現金 100
期末現金 93