79. 資金計算書の役割

企業の収益力

  • 利益の多寡、または利益獲得の効率性として評価される
  • 企業の利害関係者は、企業の収益力に最も関心をよせる
    • 高い収益力は、株主に多くの配当を支払うことを可能にする
    • 経営者にとっては、経営規模の拡大や安定した経営を可能にする
  • 収益力は企業の長期的な支払い能力にも寄与する

企業の支払能力

  • 収益力と同様、利害関係者にとって重要な関心事である
  • 利益があっても、短期的に安定した経営が行えるとは限らない
  • 借入金や買掛金などの負債を期日に返済できなければ、企業は存続することができない
  • 企業は経営において生ずる支払いを、期日に滞りなく行えてこそ、安定した経営ができる

資金計算書

  • 損益計算書と貸借対照表だけでは分からない部分を明らかにするために作成された分析表
  • 利益以外の貸借対照表項目の変化を明らかにするために作成された計算書
    • 利益の変動要因は、損益計算書によって分かるが、利益以外の貸借対照表項目を変化させた要因は、損益計算書と貸借対照表だけでは分からない

資金計算書の役割

  • 貸借対照表
    • 企業の財政状態を示す財務表
    • 企業の支払い情況について、期末時点における結果は知ることができるが、フローの情況は知ることができない
  • 財政状態変動表
    • 貸借対照表の期間変動をまとめた計算書
  • 資金計算書
    • 財政状態変動表をもとに、資金がどのように集められ、どのように使われたかが明らかになるように作成された計算書
    • 「フローの情況を知るための計算書」という役割が求められる