85. 連結財務諸表の必要性

連結財務諸表の必要性

  • 企業規模の拡大等にともなって、現代の企業活動は、個々の企業が単独で経済活動を営むよりも、支配従属関係にある親会社と子会社とが企業集団を形成し、相互に連携しつつ経済活動を展開する方が多くなっている
  • 例えば製造業では、各社で役割を分担し、連携して企業を行う
    • 原材料の入手を担当するA社
    • 原材料を部品に加工するB社
    • 部品から製品を製造するC社
    • 完成した製品を販売するD社
  • A社からD杜までの4社が一体となって、ひとつの事業を行っている(企業全体として相互に連携して経済活動を行っている)
      ↓
    「個別財務諸表」が提供する個々の企業の会計情報からは、企業全体としての成否の判断や将来性の予測が困難である
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    経済的事実と利害関係者への情報提供から考えて、この集団を単一の組織体とみなすべきである
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    企業全体の財務諸表を作成することが、むしろ合理的である

個別財務諸表

  • 法的に独立した個々の企業が作成する財務諸表
  • 企業集団の一部たる各社の会計情報を提供するにとどまる
  • 企業集団全体の会計情報を提供するものではない

連結財務諸表(連結計算書類)

  • 支配従属関係にある2つ以上の会社や事業体からなる企業集団を単一の組織体とみなし、親会社が当該企業集団の財政状態、および経営成績を総合的に報告するために作成する財務諸表
  • 以下のような規則で、財務諸表の作成、および表示方法が定められている
    1. 連結財務諸表原則
    2. 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)
    3. 会社法
    4. 会社計算規則
  • 連結財務諸表の種類
    1. 連結貸借対照表
    2. 連結損益計算書
    3. 連結株主資本等計算書
    4. 連結キャッシュフロー計算書