89. 連結主体論

連結主体論

  • 会計主体論:会計はどのような(誰の)観点から行われるのか
  • 連結主体論:連結財務諸表の作成はどのような(誰の)観点から行われるのか
  • 親会社説と経済的唯一体説のいずれの見解によるかによって、適用すべき会計処理方法が異なる
  • 現行の連結財務諸表の作成は、原則として、親会社説に立脚して行われている
    • 連結財務諸表の主な情報利用者が、親会社への投資者であるため
    • 親会社説による会計処理方法の方が、企業集団経営の実際的な感覚を適切に反映しているため

連結主体論

  1. 親会社説
    • 「連結財務諸表の作成は、支配株主である親会社の観点から行われる」とする見解
    • 親会社のみが子会社の株主であると考える
    • 子会社の純資産の内、親会社の出資に対応する持ち分のみを連結財務諸表において連結すべき資本とする
    • 少数株主持分は、他人からの資金調達とみなし、負債と同様に位置づける(将来の返済義務が存在しない点では負債と異なる)
  2. 経済的単一体説
    • 「連結財務諸表の作成は、親会社のみならず、少数株主をも含めた全株主の観点から行われる」とする見解
    • 企業集団全体を単一の経済実体として捉え、少数株主も親会社と同様に子会社の出資者とみなす
    • 親会社の持ち分と少数株主の持ち分とを連結すべき資本と考える