成長性分析の代表的な指標
- 成長性分析には売上高、資産、利益、付加価値、生産性など、さまざまなものに関わる指標がある。
- 成長性分析の基本公式は、前年度の数値によるものもあれば、ある基準年度の数値によるものもある。
- 基準年度の数値によるものならば、ある一定期間についての比較も行うことができる。
- 成長性分析ではプロダクト・ライフサイクルと併せて判断しなければならない。
成長性分析の基本公式 = 増加額 / 基準年度の額 |
売上高成長率
- 基準となる時点からどの程度、売上高が伸びたのかを表す指標。
- この成長率は高ければ高いほど望ましい。
- 売上高が急激に増加している場合は、売上債権や棚卸資産の増加による資金繰りの悪化を確認したほうがよい。
- 売上高成長率の推移を分析し、成長率の増減が数量の増減によるものなのか、単価の上げ下げによるものなのかを検討しなければならない。
- 売上高成長率の増減をもたらした要因を、他の指標と併せて分析することが必要である。
成長性分析の基本公式 = 増加額 / 基準年度の額 |
売上高成長率の個別分析
- 理想的な企業経営は、異なるライフサイクルの段階にある事業や製品を組み合わせ、継続的な企業成長の機会を担保することである。
- 多くの大企業はさまざまな事業や製品に多角化しているため、個々の事業や製品ごとに売上高成長率を把握することが重要である。
- 個々の事業や製品ごとに売上高成長率を算出することによって、成長率を高めている主要な事業や製品がライフサイクルの後半期に入るまえに適切な対応をとることができる。
- 企業全体の売上高成長率の伸びの大半が、あるひとつの事業や製品に依存している場合は危険である。
- 個々の事業や製品ごとに売上高成長率を算出すれば、業界平均や他企業との比較を行うこともできる。
- ライフサイクルの前半期は売上向成長率が急速に伸びるが、それが業界の平均的な売上高成長率に較べて低い場合は問題である。
利益成長率
- 利益の増加率によって成長性の良否を判断するための指標。
- それぞれの利益の特徴を考慮しながら、利益成長率を判断しなければならない。
- 「経常利益」を用いた利益成長率を算出することが多い。
r利益成長率 = 利益の増加額 / 基準年度の利益 |
プロダクト・ライフサイクルと利益成長率
- プロダクト・ライフサイクルの各段階において、他企業や業界全体の動向を考慮の上、設備投資や積極的なマーケテイングにどの程度の費用をかけるべきかを判断しなければならない。
- プロダクト・ライフサイクルの観点においては、売上向成長率と利益成長率は同様に推移するわけではない。
- 導入期
- 製品の認知度が低いため、ネット広告などによる積極的なプロモーション活動に注力しなければならない。
- マーケティング費用は増大するが、マーケティング費用をかけたからといって売上高が伸びるわけではない。
- 売上高の伸び悩みや過大なマーケティング費用によって利益成長率が低くなる場合がある。
- 衰退期
- 一般にプロダクト・ライフサイクルの衰退期には多くの企業が業界から撤退する。
- 撤退することなく業界に残った企業にとっては、チャンスになることがある。
- 売上高成長率は低下傾向にあるものの、撤退せずに残った企業にとっては他企業に対抗するために必要な費用がますます不要となるため、利益成長率が好転する場合がある。