イノベーションの最終解:第4章 イノベーションに影響を与える市場外の要因 (3)

動機づけ/能力マトリクスから次のことが言える。

  • 温床:イノベーションの創出と活用が盛んに行われる
  • 足かせ:動機づけが能力を補えばイノベーションが起こる
  • 燃料不足:イノベーションが起こる確率が低い
  • ジレンマ:イノベーションが失敗に至る可能性がある

政府の施策が及ぼす影響として、米国の1996年電気通信法(通信改革法、TRA)のケースを分析すると、3つの教訓が得られた。

  1. 動機づけを生み出すことは困難であり、危険を伴う
  2. 能力を生み出すのは思った以上に難しい
  3. 一度に両方を生み出そうとすれば、壊滅的な結果を招きかねない

また、政府の影響を予想する上で理解しなければならない、3つの重要な原則が導出された。

  • 原則1:適切な動機づけをもたせるのは難しい
  • 原則2:能力を生み出すのは難しい
  • 原則3:法的措置によって企業を「ジレンマ」の領域から救い出すのは非常に難しい

 

<参考文献>
クレイトン・M・クリステンセン (著), スコット・D・アンソニー (著), エリック・A・ロス (著) (2014)『イノベーションの最終解』翔泳社